<オリックス6-0西武>◇23日◇京セラドーム大阪

 また岡田マジック!

 オリックスが今季1軍初スタメン、前田大輔捕手(30)のプロ初となるビックリ満塁本塁打で西武に完勝した。岡田監督は正捕手日高を2軍降格させ、先発金子と好相性だった前田大を「専属捕手」として起用。今季3勝目を2度目の完封、毎回の12奪三振で飾る完ぺきなリードをみせ、8回にはグランドスラムを放つ的中ぶり。またも岡田マジックが決まり、チームは貯金2に戻した。

 こうも打つ手がはまるものか。岡田監督も半信半疑に違いない。今季初めて抜てきした前田大が打って守って、フル稼働。「久々よ、こんなん。1-0で辛抱の(いる)試合やからな。1点ほしかったし、あとのホームラン、大助かりや」。もう笑うしかない。

 胃がキリキリする投手戦。8回に北川の犠飛で2-0とし、なおも2死満塁で前田大が涌井のカーブをすくい上げた。「まさかです。振ったら当たった」。2年ぶりの通算7号は打った自分がびっくりのプロ初のグランドスラム。守備で何度も繰り返したガッツポーズをこの時ばかりは力いっぱい一塁ベンチへ向けた。

 直前に3試合連続2ケタ被安打。岡田監督は正捕手の日高に2軍降格という大ナタを振るい、バッテリー陣の引き締めを図った。金子は開幕戦こそ完封したが、ここ4試合で23失点とさっぱり。そこで今回の登板に備え、前田大を21日から1軍に上げた。昨年コンビで4試合2勝0敗(2完封)、防御率1・06と他を圧倒するデータを買って、初先発を任せた。

 それがいきなり金子を完封勝利に導いた。内外角の出し入れ、スピードの強弱と息ぴたりで、8回1死二塁では栗山、中村を連続の空振り三振だ。「直球に合っていなかったので。ヘタにスライダーでボールになるより、バッといった方がいい」。中村に仕掛けた4球のオール直球勝負に、岡田監督は「あのへんが捕手によってちゃうな」とうなった。

 相性診断という主義に反する起用だけに、指揮官も首をひねる。「あるんやな、相性。専属捕手はあまり好まんけど、こんなパッと変わるならその投手に組ませなアカンようになるな」。21日の日本ハム戦も、山本と今季初めて組ませた鈴木が7年ぶりアーチなど4打数4安打6打点と大暴れ。今回も采配はズバリだ。

 金子との好相性の理由を問われ「さあ、何なんですかねぇ」と首をかしげる前田大には球場から満塁弾の賞金100万円が転がり込むオチまでついた。底知れぬ岡田マジックがこの先も続きそうだ。【押谷謙爾】

 [2010年4月24日12時7分

 紙面から]ソーシャルブックマーク