ロッテ小林宏投手(31)が、米大リーグに挑戦する意向があることが26日、分かった。同投手はこの日、出場選手登録日数が9年に達し、海外移籍も可能となるフリーエージェント(FA)権取得の資格条件を満たした。「権利に関してはシーズンが終わってから考える」と話すにとどめたものの、関係者によれば、FA権を行使した場合は米移籍を選択する可能性が高いという。

 小林宏が、来季にも米大リーグのマウンドに上がる。この日のFA権取得には「積み重ねの結果としてFA権を獲得できたことはうれしく思います。ただ、今はシーズン中なのでピッチングに集中したいと思います」と話すにとどめた。だが関係者によると、かねてメジャー志向が強く、今オフにも挑戦する意志を固めているという。

 同投手は07年オフの契約更改の場で、初めてメジャーへの思いを口にした。「日米野球やWBCに参加する中でメジャーへの思いが強くなった」と話した。当時チームメートだった小林雅(インディアンス→巨人)と薮田(ロイヤルズ→ロッテ)がメジャー移籍した際には「うらやましい。ぼくもアメリカで勝負したい」とも話していた。

 09年オフには国内移籍が可能なFA権を取得した。複数球団が興味を示していたが、行使せずに残留。1度行使すれば4シーズン在籍しなければならず、海外移籍を見据えて残留したともとれる。さらに09年まで2年連続、先発として5勝12敗、4勝13敗と結果を残せなかった。チーム事情により今年からストッパーに転向したが、先発も抑えも可能となればメジャーのスカウトへ格好のアピール材料となる。

 ロッテ瀬戸山球団社長は「彼には長くロッテでプレーしてもらいたいと思っている。“生涯マリーンズ”でね。ただFAは選手が獲得した権利ですから、あとは本人がどう考えるか」と慎重にコメントした。石川副代表も「当然、彼の力は必要。球団としての誠意を見せないといけない」と話し、今後引き留めに全力を挙げるという。

 小林宏は今季9試合に登板して1勝0敗5セーブをマーク。140キロ台後半の直球と縦に落ちるスライダーはメジャーのスカウトからも高く評価されている。それでも「とにかく今は優勝を目指して頑張ります」とだけ話した。チームは首位を快調に飛ばしているだけに、自身の去就を1度封印し、5年ぶり日本一奪回へ集中するつもりだ。

 [2010年4月27日8時47分

 紙面から]ソーシャルブックマーク