<西武2-4広島>◇13日◇西武ドーム
広島が主砲不在のピンチで踏みとどまった。西武戦(西武ドーム)で主役を張ったのは、代役4番を任されたジャスティン・ヒューバー内野手(27)だ。1点リードの5回に左翼へ3号2ランを放ち、一気に突き放した。開幕から不調に陥り、2軍暮らしも長く続いたが、ようやく本領を発揮。獲得を推薦していた野村謙二郎監督(43)も「あの2点が大きかった」とたたえた。3戦連続2ケタ安打で交流戦最終戦を制して、今季2度目の3連勝に伸ばした。
理想の弾道が西武ドームの左翼上空に描かれた。これが追い求めていた助っ人の姿だ。期待外れに終わっていたヒューバーが、西武岸にド派手な1発をお見舞いした。5回の第3打席。1死一塁で、狙いすました速球を振り抜くと高々と舞い上がり左翼席へ。4月14日ヤクルト戦(マツダ)以来、2カ月ぶりのオーバーフェンスで、3点差に拡大した。
読みが的中した。1回の1打席目。カーブにまったくタイミングが合わず、最後は速球にも空を切った。ヒューバーは言う。「1打席目にカウント2-3で速球に空振りさせられた。同じ場面になって、同じ球が来るはず…」。アーチを架けた打席もゆるいカーブに空を切る。フルカウントになり、冷静に真っすぐを待ち、会心の一撃を放った。
開幕から不調が続き、5月から約1カ月半、2軍での調整を強いられた。心の荷を軽くしたのは、野村監督のひと言だった。「打率うんぬん、三振うんぬんよりも、思い切って行け。失敗してもいいから長打を狙え」。12日の同カードで復帰し、右手首骨折の栗原に代わって4番を務めた。消極的に球を見送った4月当時の姿はない。この日は、試合前に食い入るように岸の投球映像を見て研究。カーブを3度空振りした。見栄えは良くないが、迷いなく振る超攻撃的な姿勢が相手に威圧感を与えた。
野村監督も「期待通り。嶋にしてもヒューバーにしても、遠くに飛ばす、ひと振りの本塁打でビッグイニングを作れる試合もある。チームのムードもガラリと変わる。ヒューバーの1発をこれからも見たい」と話した。これまでの機動力だけでなく長打も重視。戦いながら最善の攻撃スタイルを整える。4月16~18日以来、約2カ月ぶりの3連勝で交流戦を終えた。今季は10勝12敗2分けだった。
指揮官は「勝ち越したいのは当然ある。投手陣が頑張っていれば点を取る能力も少しずつ芽生えてきているし手応えは感じる」と振り返った。投打の主力を欠く窮地で踏ん張り、勢いそのままに18日ヤクルト戦(マツダ)からの同一リーグ戦に向かう。【酒井俊作】
[2010年6月14日11時32分
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