<楽天4-2日本ハム>◇17日◇Kスタ宮城
剛球ショーも1発に泣いた。日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が7回3失点の力投報われず、5年連続の2ケタ、10勝目はお預けになった。1点リードの4回、楽天山崎に決勝の逆転3ランを献上。打線の援護にも恵まれず、5敗目を喫した。初回に国内自己最速を1キロ更新する156キロをマークした圧巻の投球だったが、自身の連勝は「5」でストップした。結果より内容十分の前半戦最終マウンドを糧に、再スタートを切る。
度量の大きさを見せながら、潔く散った。ダルビッシュは明快に力負けを認めた。4回1死一、二塁。山崎への3球目、ほぼ真ん中に近い149キロ速球は、行く先に納得した。バックスクリーン右へ吸い込まれる。「(コースは)甘いかもしれないけれど、力は入っていた(ボール)。うまいこと打たれました」。力対力の勝負で屈した。敗因に後ろ髪ひかれることなく、勝者を持ち上げた。
1発の危険性と表裏一体のはじけるようなパワー投球で、また階段を上った。初回2死、鉄平の初球で球場がどよめいた。外角高めへ外れるボール。国内自己最速を更新する156キロをマークした。前回Kスタ宮城で登板した3日に155キロをたたき出したレコードを、わずか2週間で塗り替えた。「それは(記事に)書いておいてください」。白星は逃しても、深めた自信は手放さなかった。
7回をわずか4安打。圧倒し続けた証しを、ほかの数字でも刻んだ。紗栄子夫人ら家族が“遠征”して駆けつけた一戦。直前に2試合連続完投で臨んだ影響を見せず、豪快に押しまくった。先発マスクは気心知れた鶴岡ではなく、初めての大野。サインが合わず、明らかにリズムを乱したのが、その4回。首脳陣が課した相性試験が結果的に裏目でも、言い訳しなかった。
失点は名手の小谷野の失策も絡んでいた。「小谷野さんに何度も『ゴメン』と言われたので抑えたかった。(大野とは)お互いに勉強になった」。球宴前は登板機会がなく、18日に出場選手登録の抹消が濃厚。「リフレッシュして、またやっていく」。マウンドでは力勝負に徹し、降りればチームメートへ細やかな配慮をした。未知の156キロへ到達。ダルビッシュのエースの資質は、負けてさらに際だった。【高山通史】
[2010年7月18日11時57分
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