<オールスター:全パ1-4全セ>第1戦◇23日◇福岡ヤフードーム
熱狂と注目の中で、豪快に有言実行した。日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が「魔球」をデビューさせた。3回に全パの2番手で登板。1死を奪った直後、阪神マートンでサプライズを敢行した。カウント1-1からの3球目。外角へ浮き上がるように決まった。ホップするように進化させた「ライジング・カットボール」でタイミングを外し、詰まらせた。遊ゴロ。夢のような夏祭りは突如、始まった。
打者9人に33球のうち13球も試投した。3回に巨人ラミレスからハーフスイングを誘い、4回の巨人坂本からは2連続で空振りを奪った。21日の練習中に「何となく適当に投げたら、つかんだ」という新球。従来のカットボールからリリースを含めた、投法を改良した。「押し出す角度が少し違う」と自分だけが分かる感覚。本格導入へ向け、十分の予行演習になった。
超危険と予告した通りの効果を確信した。22日に「空振りして、ヘタしたら(打者の)顔に当たるようなボール。曲がるとか、そんなんじゃない」と宣戦布告していた。この日は、非常事態?
には至らなかったが、可能性を想像できる軌道を描いた。左打者には浮き上がりながら、食い込むように変化。万が一のケースには「ファウルして(顔に)当たるかな」と、真顔で明かした。
2回1失点と不完全燃焼でも、収穫はつかんだ。脳裏に残った、初めての空振りが操れた自信になった。「普通はボールの上を振るのに、下を振っていた」。ホップを可能にした証明になった。直球を適時打された巨人阿部には、計4球を投じた。セ屈指の左のスラッガーは「セ・リーグにああいうボールを投げる投手はいない」と面食らった。球宴明けから、勝負本番で本格導入する。
「期待外れじゃなくて良かった。話題を振りまけただけでも良かったですよ。(結果は)またダメでしたけれど」と心地よさそうに苦笑いしながら、剛腕のサプライズ球宴が終幕した。【高山通史】
[2010年7月24日11時54分
紙面から]ソーシャルブックマーク



