日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が、球宴をわかせた新球の「ライジング・カットボール」を導入することを決めた。登板から一夜明けた24日、「良かったのでシーズン中も投げると思います」と明言。後半戦の初登板を予定している29日オリックス戦(スカイマーク)で、またベールを脱ぎそうだ。

 手応えを深めるための熱心な「裏付け取材」を完了し、心は固まった。この日のウオーミングアップでは、全セ・リーグの打者らとジョギングしながら談笑。前夜に4球投じた巨人阿部らに、浮き上がる軌道を直視した情報を集めた。キャッチボールで再度、感覚をチェック。「阿部さんに聞きました。みんながすごいよと、言ってくれました」との確証をつかんだ。

 梨田監督からもゴーサインが出た。試合後にあらためて映像でチェックし「本当に浮き上がっていたね」と嘆息した。過去の球界の名だたる投手を知る、名捕手だった経験から、かつてないような球種と断言。直球が浮き上がるといわれた元巨人江川卓氏を引き合いに出した。「あえて言えば江川のような感じ。いいボールだね」と、実戦使用を待望した。

 第2戦は登板機会がないため、お休み。カブレラとT-岡田ら、強力打線を相手に本格運用する。「キャッチボールで投げてもビックリされましたからね」。真剣勝負の場で、自信の“魔球”を生かす。球宴の手みやげを持って、本気の舞台へと移る。【高山通史】

 [2010年7月25日10時52分

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