<巨人3-0阪神>◇22日◇東京ドーム

 阪神鶴直人投手(23)、江草仁貴投手(29)の2人が強力G打線を止めた。3点ビハインドの4回、まずは2番手鶴が嫌な流れを止めた。この回は2死から2四球を与えながら無失点。5回はあっさり3者凡退だ。2回を無安打投球で、致命傷になりかねない追加点を許さない。「良い感じで投げられています」。8月13日ヤクルト戦で6回途中5失点と打ち込まれ、先発ローテから外れた立場。黙々と中継ぎ待機し、復調に手ごたえをつかんでいる。

 実績十分の左腕江草も存在感を取り戻した。不振続きで6月6日に登録を抹消され、21日に1軍昇格したばかり。“鳴尾浜焼け”した体にエネルギーを蓄え、6月5日オリックス戦(甲子園)以来78日ぶりの1軍マウンドだ。6回に3番手で登板し、簡単に3人切り。「緊張した。球速は出ていなかったけど、まずまず良いボールが行っていた」と充実感を漂わせた。

 2人の好投は、先発の頭数が足りない投手陣に朗報だ。2軍調整する下柳は最短10日間で1軍復帰すれば26日広島戦に間に合うが、腰痛で登録抹消中のスタンリッジは10日間での復帰が難しそう。メッセンジャーは再び中4日で27日ヤクルト戦での登板が濃厚だが、助っ人右腕がフル回転しても先発陣が1枚足りない。そこで頼りになるのが鶴&江草。江草は15日のウエスタン・リーグ、オリックス戦で“先発テスト”も受け、6回2失点と及第点。2軍には杉山も控えている。セ界の頂点を目指し、総動員で難局を乗り切る。【佐井陽介】

 [2010年8月23日11時44分

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