日本ハムが、好調の中田翔内野手(21)を打順下位に固定し、シーズン佳境を戦う方向性を固めた。ここ10試合連続安打と奮闘しているが、戦力的なバランス、中田自身の心労などにも配慮し、今季は上位打線に組み込むことは凍結。残り24試合は現状の6、7番のいずれかで起用し、制約の少ない役回りでノビノビとフルスイングする環境を整えることになった。

 結果に一喜一憂せず、腰を据えた起用策を適用していく。5番の糸井が左手首ねんざで1試合欠場中。30日の検査で幸い軽症が判明したが、31日からのソフトバンク戦(札幌ドーム)は当日の様子をみて出場を決めざるを得ない状況と予断を許さない。中田抜てき論も周囲からはあるが、福良ヘッド兼打撃コーチは「中田の中軸?

 ない。二岡とかほかにもいるから」と方向性を説明した。

 狙いは明確だ。上位打線に据えた場合の中田の心身面に及ぶ変化も考慮。当然、相手投手のマークも厳しくなり、好転している心技体のバランスを崩す恐れがある。梨田監督も「いい打順があれば、こっちが教えてほしいくらい」と思案していたが、現状維持の考えは固い。下位で結果を出し続けていることから、そのままの勢いでシーズン最後まで突っ走らせるつもりだ。

 来季以降は将来の中軸候補として本格的な育成段階に入るが、今季はチーム、中田のためにも時期尚早な決断は控えた。「恐怖の下位打者」としてフル稼働する。

 [2010年8月31日11時34分

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