<ロッテ0-1日本ハム>◇4日◇千葉マリン

 日本ハム・ダルビッシュ有投手(24)が快投で、チーム4連勝を導き、逆転Aクラスへの希望を大きく膨らませた。要所で力で圧倒し、8回を3安打無失点。打線の援護なく、自身は登板4戦連続で白星から見放されたが、延長12回の死闘を制して報われた。ロッテに連勝し2位に2・5ゲーム差へ迫る、大きな白星を演出。今季最多タイの貯金4とし、本格的な上位追撃ムードが完成した。

 キラースマイルが久々にはじけた。ダルビッシュは不敵な高笑いで、会心の1日を終えた。8個の「0」をスコアボードに並べ切り、薄氷の1-0勝利へとつなげた。チーム4連勝のヒーローにはなりきれず、自身は4戦連続白星なし。「自分の好投よりもチームが大事なゲームなんで。チームもノッてほしいけれど、そろそろ僕も勝ちが欲しい」。ジョークで笑い飛ばすほど、充実感が勝った。

 大一番にかける強い思い。所信表明の1球があった。初回2死。井口への3球目だった。ツーシームでえぐった。右ひざを直撃する死球。ベテラン好打者がしっかりと逃げにいっても、よけきれないほどのキレで突いた。ここ3戦は内角を攻め切れなかったことが低迷の伏線の1つ。「最初から崩しにいこうと思っていた」と狙いがあった。この日、初対戦した右打者で迷いが吹き飛んだ。

 心身ともに乗り、力勝負を連発した。降板した8回にマークした最速151キロの速球を主体に、カットボールとツーシームを多投してシンプルに組み立てた。チームの先輩田中と最多安打のタイトルが射程圏の西岡は、2度の得点圏のピンチで封じるなど4打数無安打。「ケンスケさん(田中)が最多安打を争っているので1本も打たせないつもり」と遊び心も満載で、ロッテ打線を仕留めた。

 完全復調の確信をつかんだ126球。3本残っている親知らずが痛み、急きょ青いマウスピースを装着しながらも悠然と仕事を遂げた。梨田監督も「魂がこもっていた。ダルに申し訳ないけれど、チームが勝って良かった」と脱帽の内容。防御率も再び、両リーグでただ1人の1点台に突入した。2位タイのロッテに連勝。

 同位のソフトバンク、首位西武の上位3強が敗れた。試合後に他球場の経過もチェックし「確かほか2つも負けてましたね」と、ほくそ笑んだ。常勝エースが、壮絶な混パ開幕のゴングを鳴らした。【高山通史】

 [2010年9月5日11時27分

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