<巨人4-7ヤクルト>◇8日◇東京ドーム
巨人が悪夢の逆転負けで3位に沈み、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの本拠地開催を逃した。1点リードの9回に守護神マーク・クルーン投手(37)の乱調でヤクルトに追いつかれ、延長10回1死二、三塁から川本良平捕手(28)に勝ち越し3ランを打たれた。クルーンは最終戦でも安定感がなく、CSに不安を残した。セ・リーグのCSは16日に開幕し、巨人は敵地甲子園で2位阪神と対戦する。
巨人原辰徳監督(52)の怒りが、ついに頂点に達した。同点の9回裏、1死満塁。サヨナラの絶好機で、長野がボール球に手を出して空振り三振。続く脇谷が簡単に初球を打って二ゴロに倒れ無得点。この瞬間、原監督は鬼の形相で右手に持っていたペットボトルを力いっぱい壁に向かって投げつけた。いつもは冷静に戦況を見守る指揮官が、感情を爆発させた。
この拙攻だけではない。今季最終戦は、今年1年間の苦しい戦いを凝縮したような一戦となった。先発内海が6回に1点差に詰め寄られて、リリーフ陣を早々と投入せざるを得ない状況になった。久保、山口、越智が必死に無失点で踏ん張り1点のリードを守ったものの、9回に登板した守護神クルーンが同点に追いつかれ、中継ぎ陣の力投を台無しにした。伊原ヘッドコーチも「悔いも何も、今年を象徴するような試合だった」とため息をつくしかなかった。
最後もあっけなかった。10回も続投したクルーンが脇谷の失策と四球で走者をためて降板。6番手の高木が一塁が空いているにもかかわらず、甘い初球をあっけなく痛打され、決勝の3ランを右翼席にたたき込まれた。勝つか引き分け以上で2位が確定した。16年前、最終戦で中日を下して優勝を決めた「10・8」。CSの本拠地開催をかけた大事なシーズン最終戦を悔しい逆転負けで落とした。
相手のヤクルトは完全に消化試合ムードだった。マウンドには今季初先発の山岸。打率をちょうど3割に乗せた田中が途中でベンチに退くなど、この一戦にかける巨人とのモチベーションの差は歴然としていた。それでも敗れた。勝負弱さを露呈した選手たちに、原監督は「こういうギリギリの大事な時に力を出せなかった選手がいる。大いに反省して次につなげていかないといけない」と、厳しい表情を浮かべた。
唯一の救いは、まだ「日本一連覇」への道が絶たれていないことだろう。CSで阪神、中日にリベンジし、日本シリーズで戦える可能性は残っている。試合後、本拠地最終戦のセレモニーで、原監督は力強く約束した。「この悔しさをバネにして、クライマックス(シリーズ)では暴れます!」。1年間の苦しみや怒りを、すべてぶつける覚悟で決戦に挑む。【広瀬雷太】
[2010年10月9日8時36分
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