<セCSファイナルステージ:中日2-3巨人>◇第3戦◇22日◇ナゴヤドーム<平成の名将対決
落合監督VS原監督>
CSファイナルステージの流れは変わったのか。巨人原辰徳監督(52)は、変えるために動いた。第2戦までのオーダーから亀井と長野を外し、松本と矢野をスタメン起用。矢野は先制点の口火を切る安打で期待に応え、今シリーズ無得点の呪縛(じゅばく)から解き放たれた。
がけっぷちの3戦目、巨人原監督がついに動いた。阪神とのCSファーストステージから我慢強く起用してきた亀井と長野をベンチに下げた。代わって、2番に松本を、7番に矢野を初めてスタメンで起用した。「(ベンチ入り野手は)16人いるわけですから。ベストのプレーヤーで、ということです」。矢野は5回、1死から高めの甘い球を逃さず左前へはじき返し、ファイナルステージ23イニング目の初得点で口火を切った。
打線だけではない。阪神戦ではわずか1回で降板した朝井の先発起用も当たった。勝ち投手にこそなれなかったが、原監督が「ファイト投法」と呼ぶ気迫が、好調の中日打線を圧倒した。「こういうプレッシャーのかかる試合で、あれだけ体全体を使って腕を振れる。非常にいいお手本になったと思う」と、4戦目以降に登板する投手たちを勇気づける力投をたたえた。対戦成績は1勝3敗。原監督も「まだ1つしか勝っていない」と少しも浮かれた様子は見せなかったものの、シリーズの流れをガラリと変えるかもしれない大きな1勝を手にした。
レギュラーシーズン最終戦となった8日のヤクルト戦の試合後だった。本拠地のファンに向けた恒例のセレモニー。チームを代表してあいさつした原監督は、こう言った。「シーズンの悔しさをバネにして、クライマックスシリーズでは暴れます!」。だが、土壇場で逆転されシーズン3位が確定した直後で「何てあいさつしたか覚えていないんだ。本当に悔しくて、ガッカリしていた。何も言葉が見つからなかった」と、内心は煮えくり返っていた。
あとになって映像や記事で自分が口にした言葉を知り驚いた。「無意識のうちに『暴れます』と言っていた。心の言葉というか、自分の“魂”から出た言葉だったのかな」。この日の1勝で胸のつかえは下りたに違いない。本拠地のファンに約束した通り、あとは思う存分「暴れる」だけだ。【広瀬雷太】
[2010年10月23日9時15分
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