細川も多村も4年で落とす!

 ソフトバンクは17日、FA交渉に4年の長期契約を用意していることを公表した。小林至取締役(42)が18日に西武からFA宣言した細川亨捕手(30)に速攻アタック。多村仁志外野手(33)の残留交渉にも最長4年契約を約束した。単年契約重視の球団方針を大転換し、大型補強を推し進める。

 ソフトバンクが球団方針の大幅転換を宣言した。これまで単年契約を重視する姿勢を貫いてきたが、編成・育成部門を統括する小林取締役はこの日、FA選手に限っては4年契約を提示することを明言した。

 「FAを宣言した選手は、4年間の保留期間に入る(次回FA取得まで4年要するとの意味)。それを踏まえた上でのものになります。それだけの実績を積んできたことへのリスペクトです」

 大型条件を用意し、まずは細川獲りへ全力を傾ける。小林取締役は18日午前中に東京都内で速攻交渉に乗り出すことを公表。「優勝経験があり、パンチ力ある打撃、盗塁阻止率も2年連続でNO・1、インサイドワークも含めて総合力を極めて高く評価しています」。長期契約の条件で、レオの正捕手のハートをわしづかみにする決意だ。

 年俸については、基本年俸を現状ベースで推移させながら、1億円規模のインセンティブ(出来高払い)を導入して変動制とする方向。細川獲得には横浜も乗り出すが、守備重視の大型出来高契約を盛り込むことも決めているだけに「手応えあります」と自信たっぷりだ。

 さらに小林取締役はFA宣言した多村にも4年契約を提示したことを明らかにした。「まさかFA宣言するとは思っていませんでした…。保留期間(4年)の保証はしているのですが」。複数年契約を望む多村の意をくみ、球団方針を転換。金銭面での隔たりは残ったままだが、大砲の残留交渉でネックとなっていた長期契約を約束した。

 球団では1週間以内に、調査を続けていた小林宏之投手(32)か内川聖一内野手(28)の両者について、ターゲットを一本化するという。いずれにしても、FA再取得までの4年契約を打診して、恋人を振り向かせる戦略。王貞治球団会長(70)は「補強についてはできることを最大限にやることで一致している」とFAで最大2枠補強することをあらためて言明。大型補強に向け、長期契約提示を最初のカードとする。

 [2010年11月18日11時21分

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