阪神秋山拓巳投手(19)が15日、秘密兵器導入プランを明かした。投手の生命線となるグラブでも、足もとを固めるスパイクでもなく、なんとバット。しかも代打の神様・桧山から授かったとっておきの1本だ。鳴尾浜でランニングやキャッチボールで調整。来季、宝刀を手に、打撃に力を入れる考えを示した。

 「たまたま振りやすくて使っていたのが、桧山さんの古いモデルのバットだったんです。それを使っていることを桧山さんが知って、使っていないものを3本ぐらいもらいました」。今季は一度も使用せず、箱の中に大事にしまっていた。「来シーズンは使います」と神様バット解禁を決断した。

 高校時代は通算48本塁打を放ち「伊予ゴジラ」の異名をもらったスラッガー。初完封した9月12日のヤクルト戦(甲子園)ではプロ初安打を放ち、初打点をマークした。その際は投手陣用に用意されたバットを使用。その後は、3打数無安打だった。

 打撃にかける思いは半端じゃない。プロでは投手が相手でも、安易に直球勝負してこないことを実感した。「相手がまっすぐしか待ってないのを分かっているので、そこをどうするかですね。時間があれば考えます。オフにティーぐらいはすると思います」。

 今季の4勝を上回るため、打でも自身をアシストする。投のニューヒーローが神様の神通力で白星をグイッと引き寄せる。【岡本亜貴子】

 [2010年12月16日11時7分

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