楽天岩隈久志投手(29)は、来年1月を「地元ファンとの触れ合い期間」に充てる。極寒の仙台を離れ、グアムなど温暖な海外で自主トレを行うのが例年1月の恒例。だが来季残留が決まると、「みなさんと直接交流したい。機会があれば教えて下さい。聞きに来てくれる方は応援してくれる方なんですから」と球団側に申し出ていた。意向を受け早速、1月中旬に仙台市内でのトークショーが3件入った。自らの調整を傍らに置き、地元イーグルス党と11年シーズンをスタートする。

 メジャー挑戦の夢かなわず残留会見を行ったが、ファン感謝祭などで直接思いを明かす機会を逃した。どんな状況でも応援してくれるファンに対しては心残りがあった。「来年にかける思いを自分の口で話せたら。気持ちはもう切り替わっているので。マウンドで表現するだけ」と岩隈。元気な顔を見せることを、今オフの最優先事項にした。

 この日は月刊誌「ゲーテ」の表紙撮影に加え、楽天残留へ至った経緯について、仙台市のスタジオでインタビューを受けた。多忙な年の瀬だが「オフしかできないこと。ありがたいです」と、広く胸中を明かす機会をくれた幻冬舎に感謝したのが岩隈らしかった。1月の海外トレ封印も、岩隈に限って心配は全くなし。撮影を終えると「これからKスタですよ」と、雪の舞う中愛車を走らせた。誰もいない球場で暗くなるまでトレーニングし、クリスマスを終えた。【宮下敬至】

 [2010年12月26日8時7分

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