ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が2日、日刊スポーツの独占インタビューで、40歳を迎える今季、6年ぶりの30本塁打を狙う決意を語った。日本ハム・ダルビッシュ、楽天岩隈らエース級に加え、日本ハム斎藤、西武大石らゴールデンルーキー攻略にも闘志満々。通算400本塁打まで1本、2000安打に130安打に迫るスラッガーが、熱い思いを激白した。

 -年末年始はどう過ごしたか

 小久保

 明けましておめでとう。今年は福岡でゆっくりさせてもらいました。

 -昨年はホークス復帰後、初のリーグ優勝

 小久保

 日本シリーズは逃したが、充実感の点では144試合の戦いは色あせない。今年はその上(日本一)にいかないとね。自分も40歳になるシーズン。大きい記録(2000安打、400本塁打)も近づいてきた。ヨシ、やるぞという気持ちが強い。

 -2000安打までは残り130安打。大記録と、どう向き合うか

 小久保

 向き合うのではない。毎日試合に出る。これまで同様、1年間戦える体をつくって、試合に出れば達成するやろ、それは、という感じ。離脱することがなければね。

 -オーバーワークを避けるのも大事では

 小久保

 これまでは体がきついときも、さらにそこから練習をやった。それがあったから今までやれたが、もう心の声に傾けてもいいかな、という年齢にきた。もともと、やり過ぎる方なんでね。ここまでくれば、若いときほど練習量に左右されない。

 -シーズン中の調整は

 小久保

 それはシーズンにならないと分からない。練習法だけでなく、打撃フォームも1年ずつ全部違う。11年型をしっかり作る。それは王会長の教え。いいときのものを振り返るのではなく、11年型を作る意識。まずは、そこにいけるまでの準備をしていく。

 -昨年、左肩痛で1カ月離脱した影響はあるか

 小久保

 今も首をほぐしていれば楽になる。小1からずっと野球やって、同じ方向ばかりスイングしていたら、どこかしら(痛みなど)あるもの。何もない状態で晩年を迎えられないですよ。何てことない。

 -2年連続20本塁打未満は初。故障もあったが、悔しい思いをしたのでは

 小久保

 長距離を長所でやってきたので、やはり、思うところはある。もう1度、という気持ちが強い。

 -体力的な衰えを感じるときは

 小久保

 野球は心拍数が上がるスポーツではない。「間」のスポーツ。体力的低下は、ほとんど感じない。本来であれば(動体視力など)衰えるであろう部分もトレーニングしてきた。20本塁打切ったからといっても、そこ(本塁打は)はあきらめずに行く。

 -40歳以降は引退と背中合わせと言えるが、衰えはないと…

 小久保

 全然ない。感じていない。全体的な話に変わるが、西武の(ドラフト1位)大石にしろ、日本ハム(1位)の佑ちゃんにしろ、パ・リーグは話題盛りだくさん。一緒に戦えるのは、幸せなこと。どんなシーズンになるのか考えるだけで、今からワクワクしている。ダルビッシュも岩隈も残る。ああいう投手と、辞める前になかなか対戦できないですよ。真剣勝負で1球1球戦えるんだから。

 -具体的な目標はあるか

 小久保

 当然。先日「あるがままでいいのでは」とメンタルトレーニングの先生に聞いたら、人間の脳は目標を持った方が、それに向かうと言われた。落合さんは辞めるまで「3冠王」と言った。周りは「それはどうか」って言っていたが、そういうもの。もう1度30本を打つ。球団に「またあいつと契約せなあかんのか。年俸上がるな」と言わせるくらいやりますよ。

 -節目のシーズンでポジション争いは激しい

 小久保

 今年も一塁を守る。DHはしません。オレが決めることではないけれど。気持ちとしてはね。一塁から投手に声かけるのが仕事(主将)の一部。若い選手に対しても、伝えるべきことは伝える。勝つために動くという軸は、ずっとぶれないでやってきた。

 -昨年11月に4年ぶりに山ごもり修行した

 小久保

 生きる上での心の掃除をしに行った。本来光っているものも、年月がたつとくすんでいく。磨く作業が必要なんです。

 -野球にも生きるか

 小久保

 プロ野球の世界は、打てなくても次に、次にと向かわないといけない。いちいち終わったことを悔やんでいたら、試合も打席もどんどん進む。常に次。どこかで、ドシッと踏みとどまって、果たしてオレは39年どういう人生歩んできたのか、この数年どう足跡つけてきたか、振り返らないと。内観(山ごもり)に行くとき以外は振り返らない。野球は人生の一部で、内観では人生を振り返っている。また行きますよ、いつか。足が自然と向かうときが来ます。

 [2011年1月3日11時27分

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