今季4年目を迎える日本ハム中田翔内野手(21)が、プロ入りして初めて、本塁打数の目標を掲げた。昨年はプロ初本塁打を含む9アーチと和製大砲の片りんを見せたが、今季は自身のノルマを「30本塁打」に設定。武器である長打力で、チームのリーグV奪回に貢献することを誓った。

 言葉から、今季にかける意気込みと自信がにじみ出た。中田が入団4年目で初めて、数字の目標をぶち上げた。「来年は(ホームランを)30本打ちますよ。打てると思うんやけどなぁ。もちろん打てる保証はないですけど、目標は大きく。去年(のオフ)とは違います」。はっきりと数字の目標をたて、堂々と言い切った。

 高校通算87本塁打と当時の通算本塁打記録を打ち立てた中田。入団以来、常に柵越えを期待されて打席に入ってきたが「何本打つとか数字は考えてない。1打席1打席を大事にしたい」と、目標を口にすることは避けてきた。だが、昨季はプロ初アーチを含む9本塁打。疲れが出た後半戦は当たりが止まったが、これまで以上に手応えを感じた1年になった。

 自身は後半戦“失速”の原因に、下半身の疲労で打撃フォームが崩れたことを挙げる。そこで今オフは、下半身を中心にトレーニングを行い、体を鍛え上げている。「1年間やれる体にしないと」。まずはシーズン通して戦える体をつくりあげるため、年内はバットを持たず、筋力トレーニングに明け暮れている。

 広島市内の実家には、9本のアーチを集めた「本塁打集」のDVDを持ち帰って繰り返し見ている。「シーズン中は悪いときの映像と見比べたりしますけど、今はいいときのだけを目に焼き付けています」と、イメージトレに余念はない。

 30本塁打は、昨季のキング争いに当てはめると、トップのオリックス・T-岡田に3本差のリーグ2位に相当する。自らに課したノルマを達成できれば、チームもリーグ首位快走は間違いない。【本間翼】

 [2011年1月4日10時44分

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