40歳シーズンで完走だ!

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が4日、不惑シーズンの全試合出場を目標に、米アリゾナ州での自主トレに向けて出発した。30発を誓う今季は、初球から打ちに出る打撃スタイルへの変更も心に秘めており、快挙への挑戦がいよいよ本格化する。

 節目シーズンを迎え、小久保の表情が自然と引き締まった。この日午後、福岡空港から成田経由で米アリゾナに飛び立った。シーズンへの足固めとなる自主トレ開始は目前。言葉に力が入った。

 「いよいよ2011年が始まる。日本シリーズまで見据えて、最後まで乗り切れるように調整する。健康第一。健康な状態であれば出続けられるし、戦える」

 昨年は首痛や左肩痛で1カ月の離脱を経験し、出場は112試合。09年以来となる全144試合出場を今季目標にぶち上げた。今年10月に40歳となる。ホークスでの40歳シーズン全試合出場となれば、南海時代の88年門田博光が達成して以来のことだ。王球団会長や秋山監督の現役時でも達成できなかった不惑完走。ハードな自主トレのメニューをこなし、足固めに入るつもりだ。

 午前7時に練習開始。昼すぎまでの約5時間をトレーニングにあてる。午後からはマッサージなどで体調管理につとめる。今月中旬以降にティー打撃を開始するスケジュールも組み、27日に帰国予定だ。

 「年齢を重ねると最初のつまずき、出遅れが響いてくる。キャンプに入るための準備をする。自分の考えている通りのスケジュールでやれば、大丈夫」

 通算400本塁打まであと1本塁打。2000安打までは130安打。快挙のかかるシーズンで胸に刻むのは、30本塁打超え。実は、そのための打撃スタイル変更も期している。昨年12月に知人の結婚式で西武中島と同席になった。中島の10年初球打ちの打撃成績は打率4割1分5厘。一方、球を見極める小久保は同打率2割9分3厘。タイプは違うが、小久保は中島の言葉に耳を傾けたという。

 「初球にとんでもない球が来たらどうするとか、凡退したら後悔しないのかを聞いたよ。会う機会があったら、前から聞きたいと思っていた。『自分の中で打てると思うから打ちに行っている』と言っていた」

 初球から失投を逃さず打ちに出れば、打撃の破壊力アップも間違いない。不惑シーズンでの完走&30発超えへ、小久保が助走をスタートさせた。【松井周治】

 [2011年1月5日10時50分

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