楽天の「両巨投」が6日、最低気温氷点下2度の仙台で新年のスタートを切った。粉雪が舞う杜(もり)の都。地元の人が「マックスに近い」と証言する寒さが襲ったが、岩隈久志投手(29)田中将大投手(22)の2人には関係なかった。まずはエース岩隈。午前10時過ぎ、愛車のエンジン音を響かせ、さっそうとKスタ宮城に現れた。

 正月をハワイで過ごし、前夜、仙台に帰ってきたばかり。「早く体を動かしたかった」の思いが、信じられないほどの寒暖差も、時差ボケもはねのけた。屋外グラウンドを走った後は、「今年初。オフもほとんど握らなかった」と室内でキャッチボール。軽めながら50メートル近くまで距離を伸ばした。ノックとウエートも行い、球場を離れたのは午後5時。初日から、みっちり体を動かした。

 「大暴れします」と宣言する11年。実は、当初の予定では、新年初の練習公開日は9日だった。“フライング”するほどの意気込み。「良いスタートは切れている。開幕を目指し、新たな思いで戦っていきたい」と決意を口にした。

 そんな先輩に負けじと、田中も登場。この日、郷里兵庫から仙台に戻るや、午後には球場に。20日ころからの予定だったKスタ宮城での練習を、岩隈同様、前倒しした。「キャンプまで1カ月を切った。しっかり体を作っていきたい」と軽めの練習だったが、寸暇を惜しんだ。最下位からの逆襲へ。自覚に満ちた両輪が、くしくも時同じく動きだした。【古川真弥】

 [2011年1月7日11時50分

 紙面から]ソーシャルブックマーク