「佑ちゃん、ようこそ」。日本ハム斎藤佑樹投手(22=早大)が千葉県鎌ケ谷市「勇翔寮」に入寮した11日、地元商店街などは歓迎ムードで盛り上がった。鎌ケ谷駅前のパスタ店では、この日から斎藤佑の出身地群馬県産の大和芋を使った新メニュー「斎藤投手応援セット」の販売をスタート。2軍球場ファイターズスタジアムに売店を出店する居酒屋「仁陣」は「北海道有機(佑樹)野菜弁当」を新たに発売させる。人口約10万8000人、全国的には無名の鎌ケ谷市が「斎藤で町おこし」に期待している。

 日本ハムの2軍拠点「ファイターズタウン鎌ケ谷」の最寄り駅、東武野田線鎌ケ谷駅前商店街「ペア(梨)ロード」には「ガンバレ!

 フレッシュ

 ファイターズ」と書かれたのぼりが立ち並ぶ。昨年末に斎藤佑の入団を祝い、市と商店会連合会が急きょ製作。同商店街の小金徳好理事長(62)は「ダルビッシュ投手や中田選手の時にもなかった試み。みんなが斎藤投手に期待しています」と異例の盛り上がりぶりを語る。

 斎藤佑の鎌ケ谷入りを記念し、地元飲食店では「応援メニュー」も続々と登場した。同駅近くのパスタ店「Coca」では、この日から新メニュー「斎藤投手応援セット(1000円)」の販売を開始。斎藤佑の故郷群馬県太田市特産「尾島の大和芋」を使ったパスタに、同じく群馬のブランドいちご「やよいひめ」と北海道クリームチーズのデザートなどがつく。斎藤慶巳店長(49)は「尾島の大和芋は粘りが強いのが特徴。斎藤投手にも粘り強い投球をしてほしい」と笑った。

 日本ハムの新人は、入寮とともに全員鎌ケ谷市に住民票も移すのが慣例。斎藤佑も16日に同地で開催される「新入団選手歓迎式典」で市長に転入届を手渡し、晴れて鎌ケ谷市民となる。

 日本ハムは、97年に同市に2軍拠点を設置。ロッテのホーム千葉県にありながら、今ではすっかり地元に根付いた球団となった。歓迎ムード一色の中でも、市民は鎌ケ谷の「立地」は十分理解している。「いつまでもここにいてはいけない選手。(1軍に上がり)札幌に行ってしまうのはさみしいが、時々ひょいと帰ってきてくれれば」と小金理事長。鎌ケ谷を出発点として、1日も早く1軍マウンドへ。斎藤佑を笑顔で送り出す日を楽しみにしていた。【石井康夫】

 [2011年1月12日12時10分

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