ベンちゃん+岩鬼=驚異の5割打者?

 中日和田一浩外野手(38)が12日、佐賀・武雄市内の白岩運動公園野球場で自主トレを公開した。昨季、チームトップの打率3割3分9厘をマークした主砲は打率アップに「打てるゾーンを広げる」と宣言。野球漫画「ドカベン」の人気キャラクター岩鬼正美ばりの悪球打ちを取り入れ、究極の目標である打率5割に到達!?

 ベンちゃんに岩鬼が乗り移る?

 小雪が舞い散る武雄温泉で打撃のイメージが沸々とわいた。どんなボールもヒットにしてしまう理想の打者像…。「悪球打ち」で有名なドカベンの岩鬼を連想させた。偶然にも2人の背番号は5。「好球必打」を掲げる球界屈指のヒットマンが漫画の名物キャラと奇跡のコラボ!?

 和田

 去年の成績に満足しているわけではない。今年は打てるゾーンを広げていきたい。高さもコースも。泳がされても詰まらされても、打てるゾーンを広げていきたい。

 もちろん、ストライクゾーンの球がまったく打てない岩鬼とは違う。これまで通り、甘い球を確実にヒットにするスタイルはキープする。その上で技術次第で、コースを外れた球をヒットゾーンに運ぶことは可能だと考えている。

 技術を支えるのは強靱(きょうじん)な肉体だ。宿舎から野球場まで約3・5キロの距離をランニング。練習後も約30メートルのダッシュを繰り返した。打撃練習では投手役を買って出て約1時間、ボールを投げ続けた。今年39歳となる体は、衰えるどころか若々しさを増しているようだ。

 和田

 体の衰えというのは感じない。逆に言えば、若返っているという感じさえする。今年はここまで体調も良いし、順調に来ている。去年良かったと言っても、去年は去年。今年は今年。今年は自分がどれくらい出来るんだろうという期待感がある。

 プロ野球選手はどこまで打率を上げることができるか-。そんな質問に和田は少し考え「5割まではいける」と答えた。直後に「冗談です」と否定したが、不惑を前にしても打率をアップさせることは出来ると確信している。打率4割ですら前人未到なだけに5割打者など「冗談」の域を出ないのかもしれない。ただ現役屈指の好打者和田が禁断の「悪球打ち」を身につけたならば…プロ野球ファンに壮大な夢を見させた。【桝井聡】

 [2011年1月13日10時33分

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