広島前田健太投手(22)が12日、マツダスタジアムで今年の初投げを行った。日南秋季キャンプを打ち上げた昨年11月上旬以来、約2カ月ぶりにキャッチボールを開始。斉藤に向かって約70球をじっくり投げた。

 入念な試運転だった。キャッチボールの投げ始めは左腕を前へ出さず、体に巻き付けて投球するのがルーティン。左半身の壁を作るための工夫だが、この日はシーズン中よりも長い間、この動作を続けて、感覚を確認した。

 「ちょっと動かしておこうかなと。広島は寒いので(体を)作るのは難しい。沖縄で作れればいい」

 調整ペースを上げるのは15日に沖縄入りしてからだが準備は怠らない。

 昨季は両リーグ最多の215回2/3に登板し、最多勝など3冠に輝いた。12月末まで表彰式などで忙しく、練習できなかったが、酷使した肩や肘をいたわるのに適した期間になった。

 同じグラウンドで自主トレを行うルーキーから憧れの視線も浴びた。「(入団から)4、5年ですね…。いままで入ってくる人がほぼ年上でした。入るとき(ドジャース)黒田さんに聞いたり、見たりするだけで緊張した。僕もそういう立場になれればいい」。エースの看板を背負った若き背番号18が、ゆるやかな助走に入った。【酒井俊作】

 [2011年1月13日10時59分

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