「佑ちゃんフィーバー」の千葉・鎌ケ谷ファイターズタウンで、虎視眈々(たんたん)ブレークを狙う静岡県人がいた。富士市出身の日本ハム土屋健二投手(20)が燃えている。3年目を迎え、先発ローテ入りを目指し、自主トレの拠点を置く鎌ケ谷ですでにブルペン入りするなど、精力的に調整中だ。「3年目の今年はやらないとヤバイ。絶対に1勝はする」とプロ初勝利をノルマに、悲壮な決意をにじませた。

 合同新人自主トレをスタートしたドラフト1位斎藤佑が鎌ケ谷入りして、思いは強くなった。12日は午前中から合宿所の「勇翔寮」の前はファンの人垣。土屋は「すごい人気ですね。でも自分も今年はやります」と反骨心を燃やした。現時点では人気、知名度で上回る注目ルーキーに対し「斎藤さんも先発候補ですから」とライバル視して、さらなる発奮材料にした。

 温めた旧交も、意欲をかき立てる材料だ。9日に帰省し、そのまま富士市の成人式へ出席。富士シニアから横浜高へ進学して以来、疎遠になっていた仲間から激励された。「富士市からはプロ野球選手があまり出ていない。僕が活躍したい」と郷土愛が湧いた。

 チームでは貴重な左腕で、今季期待の若手の1人。昨年、結婚し、9月に第1子の長女を授かった。「子供の世話もみます。『イクメン』ですから」という一家を背負う責任感もある。「もう3年目。1年、1年が勝負」と危機感十分。オフに遊び心で試していたアフロヘアから短髪にイメチェンもした土屋から、野球でも変身の予感が漂う。【高山通史】

 [2011年1月13日12時22分

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