阪神がロッテからFA宣言した小林宏投手(32)の獲得に向け、背番号41の提示を検討していることが12日、分かった。06年にロッテに入団して以来、14年間背負ってきた愛着ある番号。阪神では上園啓史投手(26)がつけているが、小林が望めば譲渡も辞さない。また、球団は今季推定年俸1億7000万円をベースに、2年以上の複数年契約を準備。メジャー挑戦を断念した場合には、誠意を尽くして獲得に向かう。

 小林宏がメジャー挑戦を断念した場合に備え、阪神も着々と獲得準備を進めている。ロッテ時代と同じ背番号41の提示を検討していることが判明した。球団首脳は「交渉が進んでからの話」と前置きしながら「本人がほしいと言えば、検討が必要でしょう」と明言した。

 現在は上園がつけているが、小林が望めば譲渡も辞さない構えだ。南信男球団社長(56)はこの日「近日中に何か動きがあるでしょう」とコメント。15日にもスタートする本格交渉で、誠心誠意を尽くす方針だ。

 41は小林にとって文字通りのヨイ番号だ。96年の入団から背負い続けて14年。先発の柱として4度の2ケタ勝利をはじめ、守護神に転向した昨年は29セーブをで3位からの下克上日本一も果たした。05年にはセパ交流戦のMVPに輝き、5度の球宴にも出場。日本代表に選ばれた06年第1回WBCでも41番をつけ、王ジャパンの優勝に貢献した。

 07年北京五輪アジア予選日本代表では、41を同番号の先輩、日本ハムの稲葉に譲った。だがその際、自身は4と1をひっくり返して14をつけた。それほど愛着は深い。阪神を破った05年の日本シリーズも合わせると、41で日本一2回&世界一1回の縁起物。阪神は小林の意向を最大限くみ取り、希望を実現する方針だ。

 条件面でも厚待遇で迎える。球団首脳は「FAで来て下さいというのだから、当然複数年になるでしょう」とコメント。昨季推定年俸1億7000万円をベースとし、2年以上の複数年契約を準備する。今オフは大型補強をしておらず、資金は潤沢。ライバル球団の出現も警戒しながら、金額でも最大限の誠意を示す。

 南球団社長は今後について「小林選手の代理人(アラン・ニーロ氏)が近々来日して(小林)本人と話をするでしょう」と見通しを明かした。第1希望のメジャーからオファーがなければ、小林もその時点で海外移籍を断念し、阪神との交渉テーブルにつくとみられる。同社長は「(代理人から)待ってくれと言われている。(条件など)そういう話をしましょうと伝えてある」と説明。キャンプイン前の1月決着へ、熱いラブコールで一気に口説く。

 [2011年1月13日11時37分

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