その男、危険につき…。オリックスは12日、神戸第2球場(神戸市)に2億円の施設賠償責任保険をかけた。場外に飛び出したボールが人や車に当たった場合に補償する通称「T-岡田保険」で、1件につき最大2億円が支払われるという。掛け金は非公表で、契約期間は1年だ。

 契約をまとめたFPスタジアム(本社・大阪市)の金子誠一社長(46)は「T-岡田選手が本塁打王をとり、また、飛距離もアップしているので、より危険になった。何かあってはまずいということで提案させていただいた」と説明。昨年も同様の保険がかかっていたが、33発を放った本塁打王の場外アーチによる被害拡大を警戒し、球団側も補償額を1億円から倍増させることに同意したという。

 そもそものきっかけは、09年の秋季キャンプ。就任直後の岡田監督が流し打ちするT-岡田を不思議に見ていると、北川が「こいつ引っ張らすと危ないんです」と解説。遠慮なく打たせたところ、打球が右翼ネットを越え、後方の駐車場に着弾した。指揮官が「あれは危ない」と、元阪神の金子社長に話を持ちかけた。

 球場の最も外側にある通称「ニールフェンス」は高さ35メートル。96年の本塁打王で、00年まで在籍した助っ人ニールの打球が飛びすぎるため設置された。T-岡田はそれを越え、当時は先輩の車に当てないか冷や冷やしていたが、フルスイングできるようになり?

 タイトルを獲得した。主に2軍が使用する施設ながら、2億円保険の誕生はあらためてキングのすごさを物語った。【押谷謙爾】

 [2011年1月13日11時39分

 紙面から]ソーシャルブックマーク