安芸から開幕に向けて発進!

 阪神城島健司捕手(34)が、キャンプ初日を2軍選手と同じ高知・安芸で迎えることが12日、有力になった。昨年11月の左膝手術からの回復を最優先。リハビリ環境が整った安芸で若手とともにスタートする。19日と22日のコーチ会議をへて最終決定されるが、球団も最大限のバックアップをする。

 城島が、高知・安芸キャンプから2011年シーズンのスタートを切る見込みとなった。日本初のメジャー捕手が、10代のルーキーたちと一緒に「球界の正月」と言われる2月1日を迎えることになる。球団関係者は、こう説明した。

 「リハビリを行う場合は安芸のほうがいい。室内で汗を流すことが多いだろうし、気候はあまり関係ないでしょう。安芸の方向になると思います」。

 城島は、年明けの7日に甲子園を極秘訪問していた。その場で関係者と今後の方向性について話し合いを持った。昨年11月9日の左膝手術から約2カ月を経過して補助器具なしで自力歩行が可能となったが、現時点でランニングは控えている。そんなリハビリの進み具合を踏まえた上で安芸スタート案が浮上した。最終的な沖縄・宜野座組と高知・安芸組の振り分けは、19日と22日の2度にわたるコーチ会議で決定される。

 阪神では故障者、リハビリ組は2軍の安芸キャンプからスタートすることが慣例。沖縄・宜野座は主力と1軍を狙う選手がサバイバルの場だ。チーム関係者は「リハビリ組に関しては野球の動きができるかどうかが、沖縄と安芸の判断基準になる」と話している。リハビリ過程でのスイングやスローイングはけがの再発リスクにつながる。

 高知・安芸は、体力強化や底上げが必要な若手が中心。リハビリ担当トレーナーも配置される。複数の専門家の目が行き届くだけに、望ましい環境といえる。沖縄と比べるとやや寒いが、充実した屋内練習場があり問題はない。

 城島は9日にキャンプ地について「どこでもいいです。ええ歳こいとるし、1軍だから(周囲を見て)焦るとか、2軍だからいいとか全くない。順調にリハビリを消化する」と話している。チーム方針に従えば、環境が整った安芸になる。

 すべては城島がベストパフォーマンスを取り戻すためだ。「1日でも1時間でも早く」というジョーのために、球団も最適の環境を整える構え。プロとして「自分で限界を決めるつもりはない」と、3・25開幕出場を視野に入れている34歳が若手と汗にまみれる。

 [2011年1月13日11時28分

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