阪神が13日、城島シフトを敷く方針を固めた。左膝リハビリで、キャンプ2軍発進が濃厚な城島健司捕手(34)の現状を踏まえ、1軍キャンプに楽天からFA移籍した藤井彰人(34)ら捕手4人を招集する。藤井は、2月13日に予定される練習試合ヤクルト戦(宜野座)で“開幕マスク”をかぶり阪神デビューが濃厚だ。

 城島のキャンプ2軍発進が濃厚になった真弓阪神が捕手4人を1軍宜野座に招集することを決めた。楽天から移籍の藤井、小宮山、岡崎、清水だ。有事に備える城島シフト。新人合同自主トレ視察で鳴尾浜を訪れた吉田バッテリーコーチが明かした。

 吉田コーチ

 捕手は4人連れて行きたいと思っています。どっちみち(1軍に来ても当面)城島は受けられないわけだから。下も3人いれば大丈夫だと思う。

 城島は9日に「144試合出るつもり」と開幕マスクへの意気込みを示したが、確実な保証はない。手術した左膝への影響を考え、吉田コーチは「今年は、休み休みになると思う」と公式戦では途中交代させる可能性にも触れた。

 ここで重要になるのは安定した第2捕手の存在だ。非常時にスタメンマスクを任せられるか。適性を見極めるべく、4捕手でサバイバルレースを戦わせる。

 中でも期待を集めるのが藤井だ。08年に岩隈とベストバッテリー賞を受賞した実力者。2月13日に、ヤクルトと今季初実戦となる練習試合(宜野座)を組む方向で調整を進めている。その11年“開幕マスク”は藤井に任されることが濃厚だ。

 吉田コーチ

 去年の(移籍1年目の)城島もそうだったけど、ピッチャーの球は受けたいと思うからね。

 近鉄コーチ時代に指導した真弓監督も、早く今の実力を確かめたい。藤井も初めて受ける虎投の特徴を早く実戦で把握したい。しかもヤクルトは今季開幕戦の相手だけに、敵情報も仕入れたい。同16日の日本ハム(名護)や紅白戦、オープン戦など、フル回転でマスクをかぶることになりそうだ。正妻城島に「強い意志を持って挑戦したい」と意気込む男に、これ以上ないアピールの場でもある。

 昨年の秋季キャンプで高い評価を受けた小宮山を筆頭に、岡崎、清水も勝負をかける。椎間板ヘルニアの除去手術を受けてリハビリ中の狩野も、外野と捕手の兼任を認められ、電撃参戦してくる可能性もある。城島不在の宜野座で、激しい火花が散る。【松井清員】

 [2011年1月14日10時25分

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