年俸調停を申請したソフトバンクと柴原洋外野手(36)の契約交渉がまた混迷を始めた。14日、日本プロ野球組織の加藤良三コミッショナー(69)が年俸調停申請を保留し、ソフトバンク球団と柴原サイドに円満解決への道を探るよう勧告した。減額制限を超える年俸提示に合意があったかどうかが争点となるが、両者の言い分は完全に食い違い、決着点が見えてこない。

 ソフトバンクと柴原が、再び同じテーブルにつくことになった。加藤コミッショナーが関係者を都内のNPBに呼んで事情を聴いた。その結果「40%以上の減額を両者が合意したかどうか分からないので、もう1度よく話し合う必要がある。(取り下げも)ありうる」と判断した。球団と柴原側は勧告を受け入れ、今日15日に話し合いを持つことが決まった。

 年俸調停は金銭面の係争だけで、合意の有無は調停の趣旨にそぐわないため、加藤コミッショナーは結論を保留。球団と柴原にとっては、申請を突き返された格好となった。

 柴原側は年俸1億2000万円から減額制限の40%を超える約58%ダウンの5000万円(金額は推定)を提示され不服としている。野球協約92条「参稼報酬の減額制限」では、選手の同意がなければ1億円を超える選手の減俸は、40%までと定められている。合意の有無が今後の争点となるが、球団と柴原側の言い分は平行線をたどっている。

 ソフトバンク球団のこれまでの見解は、11月上旬の下交渉で柴原に年俸が減額制度を大幅に超えること、自由契約選手となる選択肢があることを伝えたとし、柴原サイドに認識があったとしている。

 ただ、望月弁護士を通し柴原は「私は協約の制限額を超えての減額に同意したことはありませんし、同意の書面を求められたことさえ、ありません。これまでの交渉の中で球団は私が減額に同意したと主張したことはありません」とのコメントを出すなど、同意していないと主張した。

 詳細な経緯と当事者間の話し合いをまとめ、20日までにNPBに文書を提出することも決まった。だが、球団と柴原の見解がまったく違うため、再度の話し合いで、さらに事態が混迷する可能性もある。

 [2011年1月15日11時6分

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