今年は虎が3冠王や。阪神真弓明信監督(57)が打撃3部門の独占を宣言した。14日に西宮市の鳴尾浜球場で新人合同自主トレを視察。そこに中日落合監督の殿堂入りのニュースが入った。「めでたいことで、いいことだ」。ライバル球団で同世代の盟友を祝福した。

 親交を深めたのは、落合監督が中日に移籍した87年以降。同一リーグで話す機会が増えた。今でも印象に残る言葉があった。「本塁打と打点(のタイトル)は簡単に取れる、と言っていたな。3冠王、3回か…。申し分ない。うちも今年は3人で3冠王や!」。刺激を受けた指揮官は思わず宣言した。

 打撃主要3部門の独占は十分に可能性がある。昨年は平野(2位)マートン(3位)が首位打者を争った。本塁打もブラゼルの2位、打点はブラゼル、新井、鳥谷が2位から4位を占めた。「ボールが変わるから、全体的に打率は下がるだろう。誰か取ってくれたら…」。今季から統一公式球の影響で、飛距離が落ちると言われている。そんな中で、攻撃力を維持できれば、6年ぶりのリーグ制覇はグッと近くなる。

 もちろん、打撃だけに頼らないチーム作りを心がける。今回の春季キャンプも監督自らの「鬼ノック」を予告した。「とにかく球を多く捕ってもらって、うまくなってほしい。(ノックを)打っていると思う」。秋季キャンプでは外野手にフェンス際の打球を数多くチャレンジさせた。沖縄では、内野手も前後左右に揺さぶるつもりだ。「試合の中で経験できないような打球を練習させたい」。

 指揮官としては先輩になる落合監督は3度のリーグ優勝を誇る。「歳が一緒で、プロの成績は向こうが上だったし、意識はしていた。特に今も監督同士だし」。強烈なライバル心が真弓監督の胸を熱くした。

 [2011年1月15日11時19分

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