アニキの境地に到達!

 阪神新井貴浩内野手(33)が14日、鹿児島市内の最福寺で8年連続となる護摩行(ごまぎょう)を行った。約1時間半に渡ってお経を叫び続け、修行の師・池口恵観法主(74)から今季の活躍を約束された。

 池口法主

 金本選手が来て優勝した時と同じ。去年と全然違う。去年は火に押されてヘトヘトになっていたけど、今年は火を押していた。声に伸びがあった。

 背丈3メートル、300度以上。護摩木3000枚を燃やし、暴れ回る炎から1メートルもない距離で相対する。水ぶくれなどのやけど痕は1年前より明らかに少ない。新井の「気」が炎に勝った。

 新井

 先生にそう言ってもらえて自信になる。阪神に来て4年目。自分がやってやる、という気持ちは一番強いかもしれない。今までは周りを見て、移籍してきたし自分は、というのもあった。いろんな環境の変化で自分がやらないと、と強く思えるようになった。

 環境の変化-。退路を断ち、引退も意識して今季にのぞむ金本の存在も「ある」。初めて開幕から虎の4番を任される11年。今まで以上にタフな心が必要だ。昨オフ、池口法主から瞑想(めいそう)法の「入門編」を教わり、今年は20~30分間の「完全版」を伝授された。呼吸法、瞑想法を会得すれば心の波が減り「打撃の神様」にも近づけるという。

 新井に伝授した法主の長男で池口豪泉・西大寺住職(46)は「時間の感覚も違ってくる。(元巨人)川上哲治さんが、かつて言った“ボールが止まって見える”というところに、うまくいけば新井選手も、と期待している」。

 本人も「打撃に良い影響?

 感じられそう。気持ちは熱く、頭は冷静に。(瞑想法を)ルーティンに入れようと思う」と手ごたえ十分。16日まで計3日間、最福寺で心身を鍛え抜く。「自分は自分で作っていくしかない」。11年、4番新井が、炎の化身となって優勝へ突き進む。【佐井陽介】

 [2011年1月15日11時24分

 紙面から]ソーシャルブックマーク