楽天木谷寿巳投手(30)が15日、滋賀・彦根城のマスコット「ひこにゃん」に宣戦布告した。今や全国区の知名度を誇る、ゆるキャラブームの火付け役。同じ滋賀出身の右腕は対抗心を燃やした。「ひこにゃんより有名になります」と6年目の目標を立てた。

 実は、彦根城とは浅からぬ縁がある。先祖は代々、近江の地で材木を扱う商家だった。時は幕末。後に安政の大獄を指揮し、桜田門外の変で倒れた彦根城主の井伊直弼の命を受け、ご先祖様が彦根城の改築に参加。その功績が認められ、井伊直弼より「木谷(きたに)」の姓を授けられたという。祖母には「木谷の名に恥じぬように」と、きつく戒められてきた。昨季は7試合登板に終わっただけに、今季こそ先祖に恥じぬ活躍を期している。

 調整は順調だ。この日、Kスタ宮城で早くもこのオフ4度目のブルペン入り。立ち投げで約30球、力強く放った。「休まずやってきたから感じはいい。1軍、2軍、行ったり来たりじゃなく、定着したい」と力を込めた。昨季はイースタン・リーグトップの9勝と、地力はある。寿巳は「ひさし」と読む。2011年を「ひさにゃん」の年とする。【古川真弥】

 [2011年1月16日8時24分

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