【メサ(米アリゾナ州)14日(日本時間15日)=四竈衛】広島栗原健太内野手(28)が自主トレを公開し、今季にかける思いを激白した。あらためて全144試合の出場と「打率3割、100打点」を目標に掲げ、今季から専属トレーナーを採用する予定も明かした。故障に苦しんだ過去2年の思いを胸に、悲壮な決意でシーズンを乗り切る。

 澄み切った青空の下、栗原は気持ち良さそうに噴き出す汗を拭った。最高気温23度。「まずは144試合に出場すること。そうすれば成績も付いてくると思います」。目指す数字は、「3割、100打点」。全試合に出場した07年から2年続けて到達した数字が、新年に掲げたノルマだった。

 今年で6回目となるアリゾナ自主トレ。午前中にはメジャーリーガーも集まるスポーツジム「アスリート・パフォーマンス」で体力強化メニューを消化し、午後からは郊外のグラウンドで実戦練習。異例のハイペースは、開幕から逆算した綿密なプランに基づくものだった。ジム中心だったのを、今回からはボールを使う技術練習を大幅に加えた。例年5月以降に調子が上がるスロースターター。意図的に4月に照準を合わせているのも、自らのバイオリズムを理解しているからこそだった。

 「最高の環境。早めに仕上げます。2月のキャンプで仕上げようとすると、オープン戦でしっくりこない。今年は、チームと一緒にスタートダッシュしたいですから」

 3日に現地入りするにあたり、今季から採用される統一球を含め、打ち込み用として180球を持参。21日の帰国まで米国人の野球経験者を練習パートナーとして起用し、さらに自費でグラウンドを借りるなど、練習に専念する環境を用意した。今季からは専属トレーナーと契約を結び、グラウンド外でも体の手入れをする予定。体力強化、ケガ防止への投資を惜しむつもりはない。

 「全試合に出るためには、しっかりと体のケアをしないといけませんから」

 主軸の栗原が開幕直後の4月から快調であれば、チーム全体にも勢いが付く。

 「中日も巨人も阪神も強いですが、いい試合はできているし、うちにもチャンスは十分ありますから」

 競り合いを制すひと振り。汗まみれの栗原は、落ち着いた口調で、力強く、決意を口にした。<栗原と一問一答>

 -6年目のアリゾナ自主トレ。テーマは

 栗原

 いつも以上に技術練習を多くしたいと思ってやっています。今の期間に(バットを)振る量が少ないと、どうしてもキャンプで探るような感じになってしまう。だから早めに仕上げていくつもりです。

 -昨季は死球(6月10日、千葉ロッテ戦)を受けて右手首骨折で2カ月離脱。今季の目標は

 栗原

 過去2年間、ケガもあって全試合に出場できていない。実は1番難しいことですが、まずはそこです。長いシーズンの間には、痛いところも出てくると思いますが、それだけいろいろとケアも必要となってくると思います。

 -野村監督になって2年目。期するものは

 栗原

 以前より足を使う野球になった部分もありますが、僕のやるべきことは基本的には変わらない。走者を返す打点にはこだわりたいですね。

 -新外国人のトレーシーも加わるが

 栗原

 (打順の)何番を打つかは分かりませんが、2人で(走者を)かえせるようにしたいですね。

 -チームとしても大事な1年

 栗原

 個人としてもチームとしても、いいスタートを切ること。ケガさえしなければ、結果は付いてくると思います。

 [2011年1月16日10時44分

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