「あまちゃん」卒業します!

 阪神岩田稔投手(27)が15日、鹿児島・薩摩川内市内でソフトバンク杉内らとの合同自主トレを公開した。左肩痛、左肘痛と2年連続で故障に泣き、長年エース級の活躍を続ける杉内から猛勉強。鉄腕ボディーをつくる3カ条(1)精神強化(2)股関節強化(3)リリース力強化を伝授された。岩田は真顔で自らを戒めた。「僕はまだまだ“あまちゃん”なんで」。ソフトバンク杉内の遠ざかる背中を見つめながら、鉄腕ボディーへの原点を痛感した。

 岩田

 しんどい練習を続けられたら、自然と体はついてくる。杉内さんはそれをやっている。ランニングしていても、後半しんどいところで逆に伸びてくる。それが自分と違うところ。精神的な強さがある。

 3年連続となる杉内塾入門。今オフは単独トレに重点を置きながらも、1週間だけ鹿児島に降り立った。理由は1つ。ケガとは無縁の体がほしい。09年は左肩痛で開幕から大きく出遅れ、昨季は左肘手術のリハビリに専念した。一方の師匠は昨季16勝をあげ、4年連続180投球回、3年連続200奪三振を達成。175センチ、82キロのどこに強さが隠されているのか。秘訣(ひけつ)は精神力、そして股関節にあった。

 杉内

 股関節が動かないと良いパフォーマンスができない。投球動作は足を大きく出して股関節を使う。使えれば上体にかかる負担も減る。ガンちゃん(岩田)は下半身がしっかりすれば、あれだけ良い体をしているんだから。下半身主導で動けるようランニング、投球から植え付けないと。

 もともと杉内が股関節に故障持ちということもあり、今回の合同トレでは本格的な同部強化メニューを増やした。ゴムチューブトレ、さらには「四股踏み」60回連続というメニューに汗を流す毎日。相撲取りに習い、投球の土台となる股関節の可動域を広げている。

 岩田

 キツイです。足が上がらない。去年はアップ中に軽くやったぐらい。柔らかく強く。そうなれば上半身に力が入らない。いかに下半身で投げられるか。

 何げないキャッチボールからも技術を吸収している。すべてを学ぼうという姿勢は今季にかける思いの表れだ。

 岩田

 リリース時、いかに力を強く持っていけるか。それに一番たけているのが、杉内さん。見て感じて盗むのも勉強。ケガをせず、1年間ローテを守りたい。

 多くを語る必要はない。負傷明けでなお、大きな期待を背負う。復活を義務づけられた男。心身を鍛え直し、黙って結果を出す。

 [2011年1月16日10時58分

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