新助っ人は超のつく真面目人間-。中日の新外国人ジョエル・グスマン外野手(26=オリオールズ2A)が直撃インタビューにこたえた。日本球界挑戦の決意、メジャー球団と契約した10代から現在に至るまでのルーツを語った。破天荒な髪形と豪快な打撃とは裏腹にモットーは「規律」。オレ竜野球に合いそうな“日本人気質”を持つ大砲だ。

 -初の日本野球、しかも6勤1休のハードな練習を1クール終えた

 グスマン

 とにかく、すごい練習だったよ。日本に来る前から厳しいと聞いていたけど、それにも勝る練習量だった。このチームは全員が、勝つために、一生懸命に練習している。

 -第1クール最後のシート打撃ではいきなり2安打。スイングスピードが速いと評された

 グスマン

 そうかなあ(笑い)。トニ・ブランコの方がスピードがあると思うよ。でも、僕は体は大きいけれど、決して大振りはしない。オーバースイングすれば絶対に結果は悪い。力むのではなく、打つ時はなるべく全身をリラックスさせることだ。

 -16歳で米大リーグ・ドジャースと契約し、アメリカに渡った。ドミニカでも「天才」と言われていたあなたが、なぜ来日する決意をしたのか

 グスマン

 じつは日本野球のレベルの高さは以前から知っていたんだ。タンパ(レイズ)にいた時に(レッドソックス)松坂と対戦した。結果は空振り三振とショート・ゴロ。すごく多彩な変化球を持っていて、びっくりした。3Aでは(元阪神)井川ともやったことがある。イチローのプレーは言うまでもないし、彼らのおかげで、日本の野球はすばらしいというイメージがあったんだ。中日には3、4年前から声をかけてもらっていたけど、(米球団との)契約の問題もあって、日本でやろうと決意した。

 -アメリカで成功できなかった理由は

 グスマン

 あの時はまだ子供だった。何も経験がなかった。才能と自信はあったけど、それだけではだめだった。でも、今の僕はいろいろなことを経験してきた。アメリカで10年間、野球をやって学んだことは「規律」なんだ。ドジャース時代、マリアーノ・ダンカンにこう言われたんだ。「何事もシンプルに。真面目にやれ」と。今でも覚えている言葉だ。

 -「規律」とは日本野球、落合野球にぴったり

 グスマン

 そうだね。自分は26歳だが、このチームは38歳の和田や、40歳の谷繁がすごく練習している。それが自分にも刺激になっているんだ。彼らがやっているんだから、自分はもっとやらなければだめだと思うんだ。

 -落合監督から特に言われていることは

 グスマン

 キャンプが始まってから、落合監督からは、まず『キャンプでケガをするな』と言われた。それと『開幕へ向けてしっかり準備しておいてくれ』とも言われた。僕はとにかく日本でずっと野球をやるという覚悟で来ている。優勝のために頑張るよ。【聞き手=鈴木忠平】

 [2011年2月8日10時50分

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