<オープン戦:横浜4-1巨人>◇26日◇沖縄セルラー那覇

 横浜が生まれ変わった!

 26日、オープン戦初戦の巨人戦に臨み、新戦力森本稀哲外野手(30)の積極走塁や、キャプテン村田修一内野手(30)のチーム打撃などが光り、4-1で勝利。春季キャンプで取り組んできた意識改革が浸透し、3月25日の開幕戦で戦う相手に完勝した。昨季はオープン戦9戦目でやっとつかんだ初白星を、初戦でものにした尾花ベイ。今年はひと味違うかもしれない。

 「ナイスゲームや!」。試合後に尾花高夫監督(53)の絶叫が響き渡ったベンチは一体感に包まれた。勝利を至上命令に掲げて迎えた“開幕戦”。投打がかみ合っての最高のスタートに同監督の顔は紅潮していた。「キャンプでやってきたことを随所に出してくれた。誰ひとり力を抜くことなく、全力で走ってくれた。みんなが勝ちにこだわって、本当にいいゲームでした」と目を細めた。

 走塁とチーム打撃をテーマにしてきた今キャンプ。その成果の象徴が、1点をリードして迎えた5回だった。1死で森本の放った打球は、風に流されながら遊撃の後ろへポトリ。左翼高橋がファンブルするや、森本は一気に二塁を陥れ、スレッジの二塁打で貴重な中押し点のホームを踏んだ。続く4番村田は、一塁走者だった3回、暴投の間に好スタートで二進を決めており、この回の打席では、進塁打を徹底。「打ち損じてでも右を意識した」と右飛で、二塁走者の代走下園をタッチアップできっちり三塁へ進めた。

 シーズン中より重圧の少ないこの時期に、積極的に次の塁を狙うことやチーム打撃を徹底することは驚くことではない。しかし、昨季まではこの意識が徹底しておらず、チームは3年連続の最下位に沈んだ。だからこそ、尾花監督はオープン戦から「勝ちにこだわる」と明言。勝ち癖をつけるため、公式戦と同じ気持ちで臨むことを選手に求めた。キャプテン村田も「変えなきゃいけない第1歩」と、位置付けていたこの試合。そんな緊張感の中で結果を出したからこそ、大きな意味があった。【佐竹実】

 [2011年2月27日8時22分

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