<オープン戦:ソフトバンク0-0阪神>◇3日◇福岡ヤフードーム

 杉内は打たせてとってもすごい!

 開幕投手に内定しているソフトバンク杉内俊哉投手(30)が4イニングで2安打無失点と万全の調整。最後はチェンジアップでマートンから三振を奪ったが、奪三振はこの1個だけ。3年連続200奪三振のドクターKが、鋭く曲がるスライダーを主武器に凡打の山を築いた。

 バットの芯に当たらない。エース杉内の新スタイルが光ったのは2回だった。昨季47本塁打の5番ブラゼルを127キロのスライダーで二ゴロに打ちとってみせた。続くのは昨季214安打の史上最多安打を放ったマートン。内角の127キロのスライダーで中飛に切ってとった。7番林威助も125キロのスライダーで捕邪飛。すべてスライダーで、凡打に仕留めた。

 「(スライダーは)よく曲がった。ほっとしています。あまりいい当たりもなかった」。

 チェンジアップだけでなく、スライダーを決め球として完全に習得する。テーマを持って、代名詞ともいえる奪三振に必要以上にこだわらなかった。キャンプ終盤に「スライダーをつかんだ」。手首の角度を少し変えて鋭く曲がるようになり、投球の幅がさらに広がった。

 オープン戦で初めてバッテリーを組んだ細川は「昨年まではカットボールに近いスライダーであまり曲がっていなかった。でも今は本当に曲がっている。統一球の影響もある」と証言する。キャンプでは早くから、滑ると言われる統一球の特徴をつかんだ。スライダーを進化させ、速球、チェンジアップと並ぶ投球の軸にした。

 とはいえ、狙えば三振はしっかりと奪える。4回2死一、三塁だった。打者はマートン。オープン戦とは言え、絶対に打たれたくなかった。ここはスライダーを試すより勝負にこだわった。122キロ、内角低めのチェンジアップで空振り三振。被安打2で4イニング、ゼロを並べた。

 「配球を読んでくる打者が多い。僕はガチでいってるから。(マートンは)いい打者。直球に力負けしない。スピードはこだわっていないけど、直球にも納得している。細川さんのサイン通りに投げただけ」。

 オープン戦2試合で7イニング1失点。順調に開幕戦へ階段を上がっている。3月25日オリックス戦(福岡ヤフードーム)の開幕投手に既に内定。ほぼ完璧な投球内容だったが、笑顔はなく満足することもない。

 「けがなくこれているので。あとは肩と肘を疲れさせていく。完璧とは思っていない。四球は抜けちゃったかな。細かい低めのコントロールも満足はしていない」。

 まだ上を目指す。鋭く曲がるスライダー、球威のある直球、タイミングを外すチェンジアップをさらに磨き、万全で開幕戦のマウンドに立つ。