日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)にも、原発事故の影響が直撃した。15日に千葉市のQVCマリンで予定されていたロッテとの合同練習で先発予定だったが、放射能汚染の影響に考慮して中止された。両選手間に福島第1原発事故で関東圏を襲った放射性物質の拡散の不安が広がったため、両球団が協議して見合わせた。初先発予定だった13日のオープン戦・横浜戦(横浜)も震災被害に配慮して登板できなかった斎藤は重い事実を受け止め、事態の沈静化を願った。

 斎藤は表情一つ変えずに、帰路へ就いた。少しだけ楽しみにしていた初先発予定の対外試合が中止。「仕方ないです。こうなったら自分がどうこう言える立場ではないです」と冷静に受け止めた。福島第1原発事故の影響によるためで、震災の余波に見舞われた13日のオープン戦横浜戦に続いて先発のマウンドに立てなかった。

 突然、中止が伝えられた。練習していた午前中、関東圏の各地で過去最高レベルの放射線量が確認された。その情報を知った一部選手から、屋外で試合をすることへの不安の声があったという。開始1時間前の正午ごろ、日本ハム側から働き掛けてロッテ側と協議。テレビなどで千葉にも放射線が拡大していることから、その10分後に試合形式の合同練習の中止を決めた。

 ロッテ石川球団本部長は「周りで(放射線量の)数値が上がっている中で、球場の数値を測るすべがない。安全の確認が取れないので中止にした」と、経緯を説明した。今日16日にも予定されていた両球団の合同練習も見送り。日本ハムは2軍施設のある千葉・鎌ケ谷の屋内練習場に限定しての全体練習へ変更になった。梨田監督は「選手がちょっと不安がっていた。(今後は)制限がある中で、最善のことをやっていかなければならない」と話した。

 先発ローテ入りは確実の斎藤は、6日の巨人戦(札幌ドーム)に中継ぎで投げてから登板がない。ここまでの実戦では計4試合に登板し7回無失点とまずまずも、明らかに調整に狂いが生じている。だが、次回登板は未定。それでも「自分ができることを、今はやるしかないので」と日本の危機的状況に配慮して、現状を冷静に受け止めた。【木下大輔】