16日甲子園で、オリックスとの実戦形式での合同練習が行われた。

 「タイガーマスク」が帰ってきた。阪神城島健司捕手(34)が16日、オリックスとの実戦形式の合同練習で、左膝手術後初めて実戦マスクを被った。3イニングの守備では一塁けん制も披露。虎の正捕手はいつでも開幕OKだ。

 城島はみぞれがちらつく甲子園を、マスク越しに目にしていた。「キャッチャーとしてのスタート」。昨年11月9日、左膝半月板を手術。当初、全治6カ月の見通しを覆した。12日には打者として実戦復帰を果たしたが、扇の要に城島が帰ってきた。

 「野球の虫が騒いだ」のは3回1死一、二塁。一塁走者のリードが大きいと見るや、捕球後に俊敏な動作で一塁へ転送。アウトにはならなかったが、鬼肩を見せつけ「ジョー健在」をアピールした。2度の捕球ミスと、3回には逆球の変化球を後逸したことには「これは、やってしまった」と反省も忘れない。普段はそんきょの姿勢で捕球するが、患部への負担を考慮し左膝を着く構えも試した。試行錯誤が出来るのもマスクをかぶれるからこそだ。

 「帰って(トレーナーの)石原さんと抱きついて、今までのリハビリを思い出しながら一杯やろうと思う。ベンチの石原さんも涙を浮かべていたので、それを見て僕もウルッときた」。

 もちろん、日本の事情を考えれば、自分だけの満足に浸るわけにはいかない。東日本大震災の被災者へ、日本赤十字社を通じて総額1000万円を寄付することも決めた。

 「これでどうこう変わるとは思っていないですけど、小さいものが大きくなっていけばいい。何もしないでいる状況ではない」。

 次は18日のオリックスとの実戦練習で5イニングマスク、20日日本ハム戦(札幌ドーム)で7イニングを守る予定だ。いつでも開幕OK!

 タイガーマスクはジョーの務めだ。【鎌田真一郎】