阪神金本知憲外野手(42)が18日、オリックスとの実戦形式の合同練習(京セラドーム大阪)に6番DHで先発し、右翼フェンス直撃の2点適時打を含む2安打をマークした。右肩棘(きょく)上筋断裂からの復活を目指す今季。仮想スタメンで「6番OK」を見せつけ、あとは左翼守備の確認だけとなった。

 鉄人は期待を裏切らない。シーズンインを間近に控え、復活への道筋は明確。後は階段を上るだけだ。

 オリックスとの実戦形式の合同練習に6番DHで先発。初回2死満塁。オリックス中山の初球、135キロ内角直球をとらえた。力の限り振り抜き、右翼ポール際フェンスに飛球が直撃。先制の2点適時打だ。

 4回1死の場面では外角低めスライダーに体勢を崩されながら、右翼前に運ぶ。2打数2安打1四球。実戦形式に復帰後、初のマルチ安打を記録した。

 和田打撃コーチ

 外角の球を左中間に強くもっていくのが本来のカネの打球。でも(右中間に飛んだこの日も)いい打球が上がっていた。

 開幕を前に首脳陣を安心させた。右肩棘(きょく)上筋100%断裂から手術せずに復帰する-。例を見ない奇跡的な復活劇の開演はもう近い。6番に金本をすえたスターティングオーダー。これが開幕オーダーに近い並びかと問われ、指揮官はこう言った。

 真弓監督

 そやね。そろそろ開幕が近いし、本番に近い試合をしていくつもりです。(金本は)上がってきているんじゃない。(6番に金本を置くと)重みが出てくる。

 最後の懸案事項は左翼守備。予定通り開催されれば、明日20日か21日のオープン戦日本ハム戦(札幌ドーム)のどちらか1試合に左翼で先発出場し、最終チェックを終える。この日はキャッチボールで山脇守備走塁コーチのチェックも受け、状態の良化を証明した。

 山脇守備走塁コーチ

 順調やな。良い球が来てた?

 そやな。慌てんかったらな。去年の悪い時より、だいぶ良い。

 長く苦しいリハビリを乗り越えた。開幕戦のグラウンドに立つ金本の姿が今、誰の目にもはっきり見える。【佐井陽介】