<ウエスタン・リーグ:ソフトバンク2-3中日>◇3月31日◇福岡ヤフードーム

 開幕ローテーション入りが確実な中日朝倉健太投手(29)がウエスタン・リーグのソフトバンク戦に先発して6回2失点、13三振を奪う快投を見せた。初回に2失点したが、それ以降はキレのある変化球で三振の山を築いた。開幕まで登板予定はあと1試合。中田賢、ネルソンとともに開幕投手の有力候補となりそうだ。

 朝倉が快投を見せた。初回、1死満塁から小斉にタイムリーを浴びて2失点したが、経験と実績のある投手らしく、ここから修正すると圧巻の奪三振ショーが始まった。フォークを中心にキレのある変化球で6回まで毎回の13三振を奪った。相手のソフトバンク打線の中で1軍の主力はオーティズ、田上のみだったが、4番オーティズを3三振に斬って取るなど圧倒した。

 「(初回は)バランスが悪かった。2回以降は修正できました。簡単に痛打されたのは反省。フォークがうまく使えたし、シュートもよかった」。試合後、朝倉はこの日の投球に対しての手応えを語った。沖縄キャンプから直球にこだわって練習してきた朝倉だが、ここにきて変化球にもキレが出てきたようだ。

 3月29日から1軍の先発陣は京セラドームの阪神戦、福岡のソフトバンク戦(2軍戦)に分かれて登板した。開幕ローテ、そして開幕投手の座をかけて一斉テストの意味合いが強い登板となった。29日の阪神戦で中田賢が制球に苦しみながらも6回4失点、同じくソフトバンク戦でネルソンが7回3失点。そして、前日30日は阪神戦で小笠原が6回3失点、2軍戦で吉見が5回無失点とそれぞれが及第点の結果を出したが、他の投手と比べても、この日の朝倉の投球はインパクト十分だった。開幕まであと10日あまり。各投手には、あと1試合の登板機会が与えられそうだが、開幕争いの中でがぜん、朝倉の存在感が大きくなってきた。