<慈善試合:西武5-3ソフトバンク>◇2日◇皇子山

 志願のフル出場だ。頭部死球の影響で離脱していたソフトバンク細川亨捕手(31=西武)が2日、西武との慈善試合(皇子山)で1軍戦復帰。9番捕手でスタメン出場し、最後までマスクをかぶり続けた。古巣との初顔合わせで勝利は手中にできなかったが、青森出身のタフガイが元気な姿をアピールした。

 細川が喜びを素直に言葉にした。頭部死球のアクシデントから6日。1軍のグラウンドに戻ってこれた笑顔だった。1軍復帰戦は3時間14分。濃密な時間だったに違いない。

 細川

 楽しかった。最初から出るものと思っている。(フル出場は)普通です。

 志願のフル出場だった。この日の試合前までに救援投手陣の状態を再チェックするため、最後までマスクをかぶり続けることを首脳陣と確認した。

 地方球場のマウンドが合わなかった杉内が初回に3失点し、後続投手陣も打たれてしまった。2被弾を含む10安打5失点。投手がモーションを盗まれたとはいえ、2盗塁を許した。7回の守備ではバントのファウルフライを落球するシーンも…。消化不良。それでも、慈善試合の舞台でプレーし、加えて開幕に向けて得たものも大きいはずだ。

 的山バッテリーコーチ

 中から見てきた西武と、外から見た西武とは、また違ったところもあると思う。そういうのも自分の中で確認できたのでは。

 古巣との初顔合わせ。獅子打線のデータ収集には、もってこいの舞台だった。3月27日楽天との練習試合で左側頭部死球。1軍合流は前日1日。まだ左側頭部を手で触ると痛みがあるが、フル出場。細川は「投手の調子もありますから」と手の内を隠したまま移動バスに乗り込んだが、3日もスタメン出場予定だ。

 この日は東日本大震災の復興を支援するチャリティー。青森出身とあって、細川も格別な思い入れがあった。シーズンでは被災者を球場に招待するチャリティーを検討中。地理的な条件にも考えをめぐらせ、本拠福岡ヤフードームではなく、ビジター球場を対象に、異例の支援策を打ち出している。

 1軍戦でスタンドからファンの声援を受けたのは、3月21日の広島戦以来、12日ぶり。「いい緊張感の中でやれました」と汗をぬぐった。

 バットでは先発石井一から5回に左翼線二塁打を放った。頭部死球を受けた恐怖心などみじんも感じさせないタフさを見せつけた。この日足りなかったもの-。それは勝利のハイタッチ。シーズンまでとっておけばいい。【松井周治】