<慈善試合:横浜9-2阪神>◇2日◇横浜

 阪神右の大黒柱、久保康友投手(30)は打たれて悟った。「統一球は飛ばない…」。開幕直前、3年連続最下位の横浜に10安打6失点は不安が膨らむところ。それでもプラス材料を挙げて不安なしをアピールした。思えば1年前のオープン戦も横浜にめった打ち…「投げる哲学者」にとっては吉兆といえる乱調だった。

 まさか久保までも…。今年初の関東遠征で、右の大黒柱がつかまった。5回6失点。10安打中、7本が二塁打という荒れっぷりだった。

 1、2回ともに2死からの失点。2回は投手真下にも適時二塁打を浴びた。3回は先頭四球からの失点と、負の連鎖にはまった。

 久保

 自分のボールだけを投げようと思ったら、返り討ちにあった。完敗です。公式戦でやり返すだけです。

 オープン戦防御率0・83と抜群の安定感を誇った投手陣にもほころびが見えている。スタンリッジが3月25日広島戦で3回7安打6失点。同30日の中日戦は下柳が5回4失点に、岩田が3回2失点。1日にはメッセンジャーがウエスタン・リーグ、オリックス戦で4回2/3を12安打8失点と大乱調だった。

 そんな結果とは裏腹に、久保の表情に悲壮感はなかった。「投げる哲学者」らしく、淡々と投球を解説した。

 久保

 抑えに行きましたけど、全部は使っていない。ショックと言えばショックですけど。ボールは全然飛ばなかった。ハーパーのは2本とも(スタンドまで)行かれたと思った。

 駆け引きよりも球質の確認を重視した。3回までフォークにも頼らなかった。統一球の導入で、打球の飛び方を確認中。1回2死二塁からのハーパーの大飛球は左翼フェンス直前で失速。3回無死一塁で、内角高め134キロを右中間に運ばれたが柵越えしなかったのが、格好のサンプルだった。

 昨年も同じシチュエーションで“膿”を出し切っていた。3月18日に横浜スタジアムで6回13安打8失点とめった打ち。シーズンでは一転、横浜相手に6試合に登板し4勝0敗、防御率2・25と「お得意様」にした。

 真弓監督は「ずっと抑えて入っていくのも、ちょっと不安が残る」とぜいたくな不安を解消した。開幕2カード目の15日中日戦(ナゴヤドーム)先発が濃厚。その次は、横浜戦が待っている。借りは本番で返す。【鎌田真一郎】