<慈善試合:横浜9-2阪神>◇2日◇横浜

 阪神新井貴浩内野手(34)がファンに恩返しの気持ちをこめて、2つの快音を響かせた。4回に中前打を放ち、8回にはスライダーを左翼にはじき返した。いずれも2ストライクに追い込まれてから。慈善試合で、手応え十分のマルチ安打だった。

 「粘れている。いいスイングになってきた」。

 復興の思いを胸に、この日もグラウンド内外で、先頭に立った。試合前には、球場外で自らファンに募金を呼びかけた。セレモニーではチームを代表して、1万282人がつめかけたスタンドにメッセージを発した。

 「『野球には人を元気にする力がある』。私たち選手はファンの皆さんにそう教えられることがあります。私たちにそういう力があることを信じて、精いっぱいのプレーをしていきます。そしてたくさんの方々に『野球のある国に生まれてよかった』。そう思ってもらえるように、全力を尽くします」。

 打席に立つたびに、大きな歓声が上がった。言葉通りに、全力プレーを披露した。

 「こういう形でファンに見に来てもらって、ありがたい。12球団一丸となって、開幕に向かっていくと決まっているんで」。

 セ・パ同時の12日開幕が決定した後は、3試合連続でヒットを放った。選手会会長として、大きな役割を果たした。次は阪神の4番として、備えている。

 「新井!

 大変だろうが、がんばれよ~」。帰りのバスに向かうとき、ファンからそんな言葉が飛んだ。真剣な表情で、大きくうなずいた。