<慈善試合:日本ハム9-3楽天>◇3日◇札幌ドーム
粘って、先発初勝利をつかんだ。日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が3日、楽天との慈善試合(札幌ドーム)に先発し、5回8安打3失点。1回に3失点したが、2回以降は追加点を許さなかった。味方打線の援護もあり、3度目の先発で初めて勝利投手となった。次回は10日にイースタン・ヤクルト戦(戸田)に先発し、開幕前最後の調整を行う。
阪神戦の悪夢を修正能力の高さで振り払った。5回は高須を投ゴロ併殺打。自らのフィールディングで投球を締めくくった。「ずっといい当たりを打たれていたが、バックがよく守ってくれたと思います」と言うように、納得の80球でなくても結果は出した。ファンの視線を受けてのマウンドは、3月21日の阪神戦以来。焦りから淡泊だった前回とは違う、粘りの投球を本拠地のファンに披露した。
不安な立ち上がりだった。先頭打者の松井稼に初球を中前に運ばれると、そこから3連打。さらに暴投や失策も重なって5安打3失点(自責2)。1イニングに8失点した阪神戦が脳裏をよぎる。ただ、バッテリーには打たれる理由は分かっていた。1回の26球のうち、内角はわずか2球。実は大野と1回は外角だけと決めていた。想定内の失点だった。
2回以降は内角を解禁した。「2回以降は変化球を使えた」と、スライダーを中心に緩急をつけ、要所を締めた。低めへの投球も意識した。全80球中、49球が打者の膝から下に集まった。1回と2回以降の違いは、投げている球の質ではなく、組み立てを変えたことだった。「(2回以降に)修正点は特にないです」と納得の出来だった。
味方打線からは、「バッターが打とうという感じの雰囲気は感じました」と援護してくれる気迫を感じていた。点を取ってくれた後の回は気合が入った。3回は6球、5回は7球で3人で抑えた。「そこはすごい大切に思っていて、そういう回はなるべくゼロに抑えようと心がけています」と言い切る。
3月17日に北海道へ戻って以降、道民の温かさをあらためて感じていた。札幌や旭川で東日本大震災の被災者支援として募金活動に参加してきた。子供のころ、何の募金か記憶にはないが、お金を寄付して協力したこともあるという。今回は選手会の寄付に参加しながら、募金を呼びかける立場にもなった。初めての経験だったが、逆にファンから励まされ元気づけられることも多かった。
「お客さんが入ってくれるとうれしいです。ファンの人たちが球場に入って、プロ野球が成り立つと感じました」。13日ぶりにファンの前でプレーできたことに素直に感謝した。次は10日のイースタン・ヤクルト戦で開幕前最後の調整。開幕に向け、万全を期す。【木下大輔】



