<慈善試合:西武2-14ソフトバンク>◇3日◇皇子山
熱投を被災地へ届けた-。秋田出身のソフトバンク摂津正投手(28)が西武との慈善試合で好投した。先発し、5イニングを投げ3安打無失点。今季から先発に転向したが、昨季チームが10勝14敗と負け越したライバルをほぼ完璧な投球で封じ込めた。
レオ・アレルギーも、この右腕に限っては無縁だった。先発転向、1年目。摂津の安定感は、青いユニホームを相手にしても乱れることはなかった。
「納得のいく投球はできた。四球もあったし序盤は球数が多かったけど、後半は修正して球数も減らせた」
これでここまで実戦7試合に登板し、31イニングで1点しか失っていない。防御率は0・29。先発でも、中継ぎ時代と変わらぬ抜群の安定感を見せている。
「コントロールにバラつきがあった」
反省しながらも、5イニングで要した球数はわずかに57。スタミナを必要とする先発転向にあたり、球数を少なくすることを最も意識している。テンポのいい投球は、味方打線の大爆発さえも呼び込んだ。
「変化球でストライクを取れたら、次は同じ球でボールにするとか。そうやっていけば連打も防げると思う。連打を少なくすれば球数は少なくなると思うので」
秋田出身で、社会人のJR東日本東北時代は宮城・仙台で過ごした。先発だったこの日の募金活動には並べなかったが、2日は募金箱を持ち観客に義援金を呼び掛けた。友人や知人の多くが被災したこともあり、しばらくは震災について話すことさえ避けることもあった。開幕日も決まった現在は、自分にできることだけを考え、前を向いている。
「自分にできることは一生懸命、野球をやっている姿を見せること。それを感じとってもらえたら勇気づけられると思って投げていきたい」
3年目の今季、先発として新たな挑戦を始めた摂津が、被災地への思いを十分にマウンド上で表現した。ライバル西武に、やっかいな先発右腕として存在を植え付けた。【倉成孝史】




