<慈善試合:横浜0-6阪神>◇3日◇横浜
これが今季の勝ちパターンやで~。慈善試合の横浜戦。虎の火の玉ストッパー藤川球児投手(30)が、今年初めて3者凡退で締めた。最速149キロ直球を軸に、課題のフォークがさえ渡った。開幕投手の能見から、7回以降を久保田智之(30)-小林宏(32)-球児のトリプルKがゼロ封リレー。12日の開幕広島戦での再現へ、完璧リハーサルだった。
勝利の理想型が見えた。能見、久保田、小林宏からの「0」リレー。6点リードとなった9回。寒空の下、半袖の絶対守護神がきっちり最後を締めくくった。
いきなり因縁の相手、4番村田との勝負だった。昨年9月30日。2点リードの9回に、逆転3ランを浴びた。自力優勝が消滅し、矢野燿大氏(42=野球評論家)の引退試合を飾れなかった、苦い思い出がある。ただ、いつまでも引きずっていられない。2ボール2ストライクから、144キロ直球が大砲のフルスイングに勝った。右翼方向に上がった打球に横浜ファンは一瞬沸いたが、右翼マートンのグラブに収まると、すぐにため息に変わった。
藤川
今は最終調整段階。このままでも(シーズンに)入っていけるぐらい。夏場にちょうどいい形で入っていけそう。
課題も克服し、手応えを感じている。5番ハーパーには追い込んでから、4球ファウルで粘られたが、最後はフォークで空振り三振を奪った。この日、全15球のうち、空振りは2度。いずれも、直球ではなくフォークだった。
3月上旬までは体力づくりに重点を置いた。実戦を意識し始めた3月中旬。フォークのキレに悩まされた。3月17日の練習試合オリックス戦では、全投球の約1/3となる9球、フォークを投げたが、空振りはわずかに1つにとどまった。「何で振ってくれないのか。コントロールか?
キレか?」。周囲に悩みを漏らしていた。リリースの腕の高さを変えるなど、試行錯誤。今季8試合目の登板で初の3者凡退と、開幕を前にようやく成果が結果として表れた。
試合前には、球場前の広場で募金活動に参加した。個人としても1000万円の義援金を寄付。選手会としての募金活動も発案した。そして、プロ野球選手として、全力プレーこそが使命だと感じている。
藤川
グラウンドに出たら、自分のやることをやらないといけない。ずっと、(震災の事を)頭の中に入れてプレーすることが、全力でやることとは違う。(試合が)終わったときに、また(震災の事を)思う。難しいことだけど。
特別なシーズン。トリプルKを締めくくる守護神が救うのは、チームだけにとどまらない。【鎌田真一郎】



