巨人阿部慎之助捕手(32)が、12日のヤクルトとの開幕戦(宇部)出場が絶望になった。5日、阪神との練習試合(相模原)の4回表2死一、二塁、阪神藤井彰のファウルフライを追った際に、右ふくらはぎを負傷。その場で動けなくなり、MRI(磁気共鳴画像装置)検査を受けるため、都内の病院へ向かった。診断は明らかになっていないが、状況から見れば肉離れは確実で、正捕手不在で開幕に突入する危機を迎えた。

 球場を引き揚げる姿が、ケガの重症度を物語っていた。負傷交代後に、球団トレーナーの治療を受けた阿部は、水沢監督付マネジャーに背負われながら、車に乗り込んだ。通路には多くの報道陣が詰め掛けたが、厳しい表情のまま、無言で都内の病院へ向かった。

 アクシデントが起きたのは4回表だった。藤井彰の右後方へのファウルフライを追うために、走りだした瞬間に「あっ!」と絶叫。右ふくらはぎを押さえたまま、その場で動けなくなった。苦悶(くもん)の表情を浮かべながら、村田バッテリーコーチに背負われ、ベンチに直行。左足でケンケンをしながらトレーナー室に入って、治療を受けた。

 現状から見れば、12日のヤクルトとの開幕戦は絶望になった。診察結果は明らかになっていないが、肉離れは確実で、4月中の復帰は絶望的。リハビリを経て、5月中の復帰を目指すことになりそうだ。右ふくらはぎは昨年8月13日の横浜戦で自打球が直撃し、5試合欠場した古傷。捕手の動きは体に大きな負担がかかることからも、無理はさせられない。

 阿部の不在はチームにとって大きな痛手となる。捕手、主力打者としてだけでなく、主将としてチームをけん引。ナインの精神的支柱として、チームを鼓舞してきた。08年3月4日の広島とのオープン戦で本塁クロスプレーで左すねを負傷。「重度の打撲」で、同28日の開幕戦は微妙な状況だったが、驚異的な回復で開幕に合わせたが、ふくらはぎは選手生命にも関わる箇所で、慎重に復帰時期を探ることになる。

 大黒柱の離脱は避けられないが、試合後の原監督は努めて冷静に話した。「軽傷に越したことはないと思っています。どういう状態でも待ったなし。どういう状態でもベストを尽くすしかないから」と言葉を選んだ。阿部不在の穴は鶴岡、加藤が埋めることになるが、今日6日の阪神戦には、2軍から市川を緊急昇格させることを決めた。村田コーチは「誰かが埋めていくしかないんだから」と奮起を期待した。チームスローガンの「結束」のごとく、チーム一丸で危機を乗り越えていく。