開幕前夜の11日にパ・リーグ6球団の監督が、テレビ朝日系列のニュース番組「報道ステーション」(午後9時54分~)に中継で生出演し、開幕戦オーダーを発表することが9日、分かった。阪神・淡路大震災が発生した95年にも予告オーダーを発表したことがあるが、テレビの生中継で指揮官たち自ら発表するのは初の試みだ。

 00年まで「慣例」だったパ・リーグの予告オーダーが復活する。楽天やロッテの本拠地を含む東日本が大震災に遭い、リーグとして被災地域のファンを励まそうというのが発端。中継を通じ、6監督による開幕直前対談が実現することになった。この日はQVCマリンで練習を行った楽天星野監督も各球団が足並みをそろえる動きを歓迎し、「1番山崎、2番ルイーズで行く」と冗談交じりに言った。

 16年前も、震災がきっかけとなった。当時は大震災の翌日にパ・リーグ監督会議が行われ、オリックス仰木監督(故人)が座長を務め、「復興」を合言葉に満場一致でファンサービスの実現が決まった経緯がある。前年に行われていた予告先発に加えて、打順も予告。ダイエー王、日本ハム上田、ロッテ・バレンタイン、西武東尾の4人が新監督というフレッシュな顔触れだったが、震災直後に画期的なアイデアが決まるという迅速さも話題になった。この年をきっかけに96、98~00年まで開幕戦スターティングメンバーの予告は続いた。

 今回は開幕日を遅らせ、東京電力、東北電力管内では4月中のナイターを自粛するという中でのシーズンスタートとなる。腹の探り合いというムードは捨て、ファンのために6球団が一致協力のタッグを組む。