<阪神1-3巨人>◇21日◇甲子園
宿敵巨人に連敗したのは痛いが、阪神榎田大樹投手(24)の投球を見れば、不安なんて吹き飛ぶ。1点ビハインドの7回に登場して、1イニング無失点。勝ち負けはつかなったが、開幕から中日、巨人を相手に3試合連続無失点と、新人離れした安定感を見せている。先発陣が崩れても、代役はお任せ。早く来い来い、次の巨人戦!
榎田は淡々とアウトを重ねていった。7回、初めての連投は、1点ビハインドの展開だった。それでも、気持ちも、パフォーマンスにもブレはない。先頭加藤を高めの141キロで空振り三振。緊張をみじんも感じさせなかった。
「昨日と変わらない感じでした。ストライク先行で、リズム良く低めに投げようと思っていました。とにかく0に抑えられたので良かったです」。
2死から坂本に二塁打を浴びたが、続く脇谷を外角低め直球で遊ゴロ。ファンがラッキーセブンの風船を準備する前に、巨人の攻撃をさえぎった。
3試合目の登板だが、中日、巨人、巨人とすべて優勝候補相手。しかも接戦でマウンドを任されている。緊張感高まる場面ながら、計4イニングで無失点。肝っ玉ルーキーは、巨人のドラ1沢村の前で存在感を示した。
「巨人のピッチャーという感じで見ていました」。
本人は周囲があおる程、気にしていない。日本ハム斎藤、広島福井、そして沢村と大卒ルーキーの活躍が注目されるが、大学から東京ガスを経由している榎田には、プライドがある。「美馬(楽天)とか、岩見(広島)の方が気になりますね」。気に懸けるのは、社会人時代のライバルだ。
甲子園のマウンドにもなじんできた。宮崎・小林西高時代に甲子園出場経験はないが、親近感を感じている。投手陣で最年少の榎田は、試合前のシートノックの補助が仕事だ。投手でただ1人、試合前に「ベンチ入り」する。グラウンドを見ながら、甲子園出場時の土の思い出を語る藤井彰に言った。「甲子園の土は鹿児島の土ですよ」。故郷の鹿屋地方の黒土が混ざっているから、自然体でいられるのかもしれない。
プロ未勝利だが、冷静さを保っている。「焦りはないです」。巨人戦での初白星こそ逃した。だが、記念日はもうすぐそこまで迫っている。【鎌田真一郎】



