<広島3-4巨人>◇15日◇マツダスタジアム

 広島に頼もしい男たちが戻ってきた。永川勝浩投手(30)大竹寛投手(27)の主力2投手が15日、1軍に合流した。リリーフ候補の永川勝はこの日1軍登録され、先発候補の大竹も近く1軍登録の予定だ。この日の巨人戦は惜敗。貯金「3」のリーグ2位と好位置をキープする広島は、充実の投手陣で明日17日からの交流戦に挑む。

 マツダスタジアムに守護神と大黒柱と呼ばれた2人の右腕が現れた。この日、通算164セーブの永川勝と、09年に43イニング連続無失点の快挙を演じた大竹が1軍合流。永川勝は右肘痛から大竹は右肩痛からそれぞれ復帰。焦らずに2軍戦で調整していたが、明日17日ソフトバンク戦で開幕する交流戦に間に合った。

 この日出場選手登録された永川勝は「体は問題なくできている」と明るく言い切った。2軍戦では14試合に登板し2セーブ、防御率は8・56。数字的には合格点から程遠い。だが実績十分の“元”守護神にとっては「力強い球が戻った」(山内投手コーチ)ことが何よりも朗報だ。

 慣れ親しんだポストはまだ先にある。守護神にはリーグトップの8セーブを挙げる新外国人サファテが君臨。台頭著しい青木やシュルツなどリリーフ陣は層が厚い。山内投手コーチが「(救援陣の)順位的には永川は下の方。負け試合や早い回からの登板になるだろうが、そこから結果を出してもらいたい」と説明するように、マウンドで結果を出し続けるしかない。元守護神も「1軍でやるからには、1球1球全力で投げたい」と自覚十分だ。

 大竹の1軍登録も視野に入った。14日ウエスタン・リーグ阪神戦では5回2安打無失点。「できることをしっかりとやるだけです」と少ない言葉に力を込めた。

 この日の巨人戦はエース前田健で必勝を期したが、1点差で惜敗した。それでも交流戦前では初の貯金、それも「3」に膨らませてのリーグ2位だ。昨年は5位で交流戦を迎えた。チーム防御率を「4・55」の昨年同時期から「3・73」にはね上げ、パの猛者に挑むことになる。「ここまで投手陣が試合をつくる展開になっていた。この感じで頑張ってくれればいい」。野村監督は確かな手応えを胸に交流戦に向かう。【佐藤貴洋】