<広島1-4ヤクルト>◇1日◇マツダスタジアム

 ヤクルト・ウラディミール・バレンティン外野手(27)の復活を告げる一撃は、強烈な当たりだった。2回の第1打席、左越え本塁打を放った。

 6月14日西武戦の第3打席に本塁打を放って以来、40打席ぶりの安打。久々の感触を楽しむように、三塁前でスキップし、本塁の前では胸の前で十字を切り両手を合わせた。「長かった。ホッとした。これがきっかけになって大きく変わってくれればと思う」。今日2日に27歳の誕生日を迎える助っ人は、スランプから脱出し自ら祝った。

 まさかの急降下だった。6月17日には打率3割2分5厘で首位打者だった男が、前日6月30日の試合後には2割8分の11位。あっという間に打率は下がった。それでも、自分のスイングは悪くないと、信念を貫き、トンネルの出口を待った。「だれにでもスランプはある。気持ちだけはネガティブにならないようにと思ってたんだ」。宮本や館山の体をつねるなど、いたずらを繰り返し、明るさだけは失わずにやってきた。

 この日は兆しがあった。試合前には「今日はセーフティーバントをやってみようと思う」と言って、小川監督を笑わせた。「リラックスして臨めている感じがあった。これで変わってくれるんじゃないか」と、指揮官も目を細めた。

 宮本、相川のベテランをスタメンから外し、3連投の林昌勇にも「今日は使わないから準備はしなくていい」と試合前に告げてあった。9回、バレンティンが四球でつなぎ、最後は藤本が決勝3ラン。ベテランの休養と勝利の両方を手にしたヤクルトの強さばかりが際立った。【竹内智信】